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好きになりすぎるのは、悪いことですか  作者: ネロ
大学時代編

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理央

月日は本当にあっという間に流れ、大学1年生の3月がやってきた。

海月先輩との進展は、特にないままだった。

11月頃に知ったことだが、海月先輩は大学院進学が決まっていた。

だから部活は10月に引退したものの、すぐに別れにはならない。

キャンパスにまだいる。研究室に来たり、後輩の練習を見に来たり、学科の後輩として柊に絡みに来たり。

だから、柊の心はまだ、海月先輩でいっぱいだった。恋心は止まらない。

嫉妬も独占欲も、日に日に強くなる。

海月先輩が他の人と笑いながら話しているのを見ると、胸がざわつく。

「なんであいつとそんなに楽しそうなんだ」

「俺の方が先輩のこと……」

練習後に海月先輩が

「今日は就活の面接だったから疲れた〜」

って他の男子に甘えるように言っているのを聞くと、

吐き気がする。想像が暴走する。

海月先輩が誰かと付き合って、大学院で一緒に研究して、俺の隣じゃない誰かの隣で笑っている。

考えただけで胃が捩れる。

それでも、海月先輩が笑顔で話しかけてくると世界が輝く。

1日幸せになれる。

でも、先輩はただの可愛い後輩としか見てないってわかっているから、気持ちを表に出せない。

出すと、壊れるかもしれない。


そんな中でも、柊は少しずつ、高校時代とは違う「友人」を作れるようになっていた。

特に、女子バレー部の同期・理央りおと仲良くなった。

理央は明るくてサバサバしていて、柊の「海月先輩への想い」を最初に察した同期だった。

ある日、練習後に「柊くん、海月先輩のこと好きでしょ?顔に出すぎ」

ってストレートに言われて、柊は真っ赤になって俯いた。

理央は「まぁ、わかるよ。私も最初は先輩のことカッコいいと思ってたもん」

って笑って、それ以来、柊の相談相手みたいになった。

練習後に「今日も海月先輩、他の男子と話してた……」

って愚痴をこぼすと、理央は

「またそれ? 柊くん、嫉妬深すぎでしょ(笑)

でもわかるよ、先輩って誰にでも優しいからね」

ってからかいながら、ちゃんと聞いてくれる。

2人で遊びに行くことも増えた。

休日に映画を見に行ったり、カフェで長話したり、たまにバッティングセンターに行って、

理央が「私の方が打てるよ!」って張り合ってきたり。


理央とは、恋愛感情はない。

だからこそ、柊は素で話せた。

ただ、気軽に話せて、海月先輩のことを相談できる、初めての「友達」だった。

理央との友情は、柊にとって「初めての、健全で対等な関係」だった。


ある日、理央とカフェで話しているとき理央が

「柊くんさ、海月先輩のこと好きすぎて、他の子見えてないよね。私とか同期の女子たち、もっと遊ぼうよ」

って言ってきた。

柊は「…そんなことないよ」って否定したけど、

理央は「嘘。私と遊んでるときも、頭の半分は先輩のことでしょ?」って笑う。

柊は黙ってコーヒーを飲んだ。

「まぁ、いいけどさ。でも、海月先輩のこと、いつまで引きずるつもり?

このままじゃ、柊くんが壊れちゃうよ」って、少し真剣な顔で言った。

柊は、「…わかってる」って小さく答えた。

でも、心の中では「わかってるけど、止められない」って叫んでいる。

理央

「私、柊くんのこと友達として好きだから、壊れそうになったら言ってね。

一緒に何かして、気を紛らわせよう」

その言葉が、柊の胸に温かく染みた。


海月先輩の卒業が近づく。あと数ヶ月。

柊の心は、海月先輩への想いでいっぱい。

嫉妬と独占欲が、日々を蝕む。

理央という「友達」ができたことで、少しだけ孤独が和らいだ。

でも、根本は変わらない。

海月先輩がいなければ、俺はまた虚無に落ちる。

この想いは、いつか届くのか。

それとも、海月先輩の卒業とともに、永遠に終わってしまうのか。



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