公立受験 1校目
腱k等
3/7月曜日。
公立高校入試1校目。
今日の受験校は、2人にとっては第2志望となる高校。だが、それでも緊張は拭えない。
朝、柊が家を出る直前にスマホが振動した。
瑶季
『柊くん、おはよう! 今日がんばろうね!!
絶対大丈夫だよ。柊くんなら、落ち着いて解けるはず。
終わったらすぐ連絡してね。待ってる♡』
柊は玄関で靴を履きながら、胸が熱くなった。
すぐに返信。
柊
『おはよう。瑶季もがんばって。
同じ気持ちだよ。絶対受かろう。
終わったらすぐ話そう」
2人はそれぞれの試験会場へ向かった。
柊は電車の中で、瑶季のメッセージを何度も読み返した。
(瑶季の声、聞きたい…でも今は集中だ)
試験は朝から夕方まで、1日がかり。
5教科(国数理社英、各100点満点中20点配分で合計100点)。
柊は手応えを感じながらも、数学の後半で少しミスした気がして胸騒ぎがした。
でも、瑶季の「絶対大丈夫だよ」が頭に残っていて、なんとか最後まで集中できた。家に帰ってすぐ、テレビの解答速報番組にチャンネルを合わせた。
自己採点。
国語:20/20
数学:14/20
理科:18/20
社会:20/20
英語:18/20合計:90/100柊はホッと息を吐いた。
第2志望なら、90点はほぼ確実に合格圏内。
でも、本命のトップ校では、まだ不安が残る。
家に帰ってスマホを見ると、瑶季からメッセージが来ていた。
瑶季
『柊くん! 終わった〜!!
どうだった? 私、なんか手応えあったかも…でも数学で詰まったところあったよ
自己採点まだだけど、柊くんはどう?』
柊はすぐに通話をかけた。
「もしもし、瑶季?」
「柊くん! お疲れさま!! どうだった?」
瑶季の声は少し疲れていたけど、明るい。
柊は自己採点を報告した。
「俺、94点だった。数学で何問かミスった気がするけど…まあ、第2志望なら大丈夫かなって」
「94!? めっちゃいいじゃん!! 柊くんすごいよ!!
私の方は…まだ速報見てないけど、国語と英語は満点取れた気がする。
数学がヤバくて、社会も1問自信ない…でも、80後半くらいかなって思ってる」
2人はしばらく、手応えを語り合った。
「英語の長文、読みやすかったよね」
「社会の年号問題、去年の傾向そのままだった」
「数学の関数、グラフの増減表が命取りだった…」
そんな細かい話で盛り上がりながら、2人は自然と2校目となる本命の対策に移った。
柊
「本命のトップ校、明々後日だよね。
今日のミスを活かして、数学の関数だけもう一回見直そうか
俺、塾の過去問で似た問題あったから、画像送るよ」
瑶季
「うん! 私も英語のリスニング部分、昨日録音したやつもう一回聞く。
一緒に勉強会やろうよ。明日から毎日、夜に通話しながら対策会議!」
柊
「いいね。瑶季の声聞くと、集中できるんだよな…明日から、がんばろう」
瑶季
「私も、柊くんの声聞くと安心するよ。絶対、2人とも本命受かろうね。同じ高校、行こう」
柊は電話を切った後、ベッドに倒れ込んだ。
疲れが一気に来たけど、胸の奥は温かい。
94点という手応え。
瑶季の声。数日後の本命。
すべてが繋がって、明日への力が湧いてくる。でも、心のどこかで思う。
(瑶季と同じ高校に行けたら…それだけで、俺はもう十分幸せかも)
瑶季の存在が、自分の未来を照らしていることは、もう疑いようがない。




