↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
99/144

99. 【閑話】茶碗

※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。

海の離宮のペルラの部屋で、ディアバスとオーニチェとピレイは、ペルラが戻るのを待っていた。


「そう言えば、兄上、気になっている物があるのです」


「何だ?」


「あれです」


ディアバスは飾り棚の方を指さした。


大きな飾り棚には、茶碗が一個だけ飾られていた。

バサルク王宮にいた時に、ペルラが自室でお茶を飲むのに使っていた茶碗だった。

茶碗にはバサルク王家の紋章が大きく描かれていた。


「兄上、どうしてあんな物送ってきちゃったんですか?」


オーニチェは優しい表情で茶碗を見た。


「バサルク王宮滞在の思い出に決まっているだろう。

離宮に移ってすぐの頃だからな。

ペルラが泣いて喜んで飾ってくれたと聞いて安心したものだよ。

まさかお前と結婚することになるとは思わなかったしな。

何だ、お前にもやろうか?」


オーニチェは振り返ってディアバスを見た。


「僕はいいです。

そうじゃなくて、あの茶碗から、いつも兄上の視線を感じて、何だか落ち着きません!」


「考え過ぎだ」


「持って帰ってくださいよ〜」


「すでにペルラに贈った物だ。

それに、視線を感じるなら、いいことではないか!」


「どこがですか?」


ピレイが口を開く。


「ディアバス様、お兄様が見守ってくださっているのですよ」


「見守らなくていいです!」


「魔除けだと思ってはいかがでしょうか?」


「思えないです!」


オーニチェが頭を振った。


「魔除けを嫌がるなんて……」


「だからって、僕は魔物じゃない!」


オーニチェは笑った。


「あはは、宮廷の魔物なんて呼ばれているのは、ピレイの方だものな」


ピレイはオーニチェを無言で睨むと、笑顔でディアバスに向き直った。


「ディアバス様。念のため、割れ物のゴミの回収日カレンダーを今度お持ちしますね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。