100. 海の離宮編(12) 許可
※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。
「ペルラ、ムーンストーンの国王陛下から正式に結婚の許可が出たって」
ディアバスはペルラの部屋に入るなり、オーニチェからの手紙をひらひら振ってみせた。
本を読んでいたペルラは顔を上げた。
「えっ? 本当? 良かった!」
ペルラの兄ベルデからも昨日結婚を認める手紙が届いていた。
「いよいよ本当にペルラと結婚できるな。夢みたいだ」
「ディアったら、大げさよ」
ペルラは笑った。
「俺も、できる仕事を探さないといけないな」
「ゆっくりでいいんじゃない?
ベルデお兄様に頼めば、何か見つけてくれるかもよ。
私も何かできるかな?」
「ペルラはとりあえず半年くらいゆっくりしたらどうだ?」
「私もう元気だよ! 何でもできるよ!」
「それならいいけど」
「大きいオーブンがある家がいいな」
「え? オーブン?
ペルラはあんまり料理しないだろう?」
「失礼しちゃう。料理するかもしれないし」
「ごめんごめん」
「ディアが作る時に大きい方がいいでしょう?」
「俺が作る用?」
「パンとケーキがいっぺんに焼けるわ!」
「温度が違うんじゃないか?」
「……じゃあ、オーブンは小さくていいわ」
「なんで小さくするんだよ。普通でいいだろ、普通で」
ディアバスはペルラのティーカップに紅茶を注いだ。
「庭に、色々植えるの!」
「はいはい。何でも植えてくれ」
「きれいなお花とか、薬草とか、珍しい植物とか、果物の木とか、野菜とか」
「畑?」
「あっ! そうだよ!
半分畑にしようかな?
ディアも野菜や果物を育てればいいんじゃない?
そうしたら仕事探さなくていいじゃない!」
「農家ってこと?
王立学校で農業の講義は取らなかったんだが……」
「トライアンドエラーよ!」
ペルラはこぶしを突き上げた。
「最初の一年で金がなくなりそう……」
ディアバスは頭を抱えた。




