↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
101/144

101. 海の離宮編(13) 窓

※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。

夜。

大きな物音でペルラは目を覚ました。

寝室の窓が割られて、見知らぬ男達がまさに入ってきているところだった。

異様で、現実味がなかった。

体が動かない。


男の一人がランタンをペルラの顔に近づけた。


「見つけた」


まぶしくて思わず顔をそらすと、別の男が乱暴にペルラの髪を掴んで顔を上げさせた。


「お前がペルラ・ベトーラか?」


「……」


ペルラは声が出てこなかった。


「だんまりか?

下賤なバサルク人とは話せないってか?」


男はペルラの髪の毛を掴んだまま、ベッドからペルラを引き摺り下ろした。


「ムーンストーン人様はさぞかし偉いんだろうなあ!

バサルク人よりも、アルマンディン人よりもなあ!」


ペルラは顔から床に落ちた。


顔を上げると、血がポタポタと床に落ちた。鼻血が出ていた。


「お前の父親がディアバス殿下をバサルクから連れ去った。

殿下はまだ3歳の子供だった。

国王陛下、王妃様、オーニチェ様がどれ程悲しまれたか。

国民がどれ程悲しかったか。

それなのに、お前はよくのうのうとバサルクに来れたな!」


男は剣を突きつけてきた。


ペルラは座ったままじりじりと壁に追い詰められていた。


「幼いディアバス殿下を奪っただけでは足りなかったのか?

オーニチェ殿下と婚約して、破棄して、どれだけバサルク王家を愚弄する気か?」


男は剣を振り上げた。


「この魔女がッ!」


剣はペルラの顔の横の壁に打ち込まれていた。


ペルラの髪がパサリと切れて、床に落ちて散らばった。


「全て置いて、バサルクから出て行け!」


ペルラは立とうとしたが、全然足に力が入らなかった。


「王妃様のティアラも置いていけ!

どこだ? 出せ!」


オーニチェとの婚約式や王宮行事で着けたティアラだった。


「ムーンストーン人なんかが触っていい物じゃないんだ!

さっさと返せ!」


ペルラは這って、衣装棚の前に行くと、震える手で棚の引き出しを何とか出した。

どこにあるか皆目見当もつかなかった。

何個目かの引き出しは、宝石の引き出しだった。

ティアラも入っているかもしれない。

ペルラは1つずつ箱を開けてみた。

開けた物は全て違った。


引き出しの一番奥に、緑色の箱があった。

ペルラは箱の中身がティアラではないと知っていたが、無意識に開けていた。

以前に兄ベルデがくれた真珠のネックレスだった。


ペルラがネックレスを手にした瞬間。


「時間稼ぎするなら、ここで殺すぞ!」


男が剣でネックレスを切り上げた。


糸が切れて、真珠が飛び散った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。