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96. 海の離宮編⑨ 昼食の時間
※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。
「悪い、遅くなった」
ディアバスがペルラの部屋のドアを開けた。
午前の講義が長引いて、昼食の時間にかかってしまった。
「ううん、大丈夫だよ。お疲れ様」
ペルラはディアバスに組紐を見せた。
「ほら! これ作ったの。あげる。
ディアをイメージして作ったんだよ。
黒、青、銀で、かっこいいでしょ?」
「そうだな。ありがとう」
ディアバスは微笑んだ。
そのとき、机の端に、ベルデからの手紙と、男性の姿絵が置いてあることに気づいた。
「ああ、それ、ミリス様の姿絵だって。
顔知ってるけど、一応、って入れてあった。
ミリス様とルビー様って、顔はあんまり似てないと思わない?」
ペルラは糸くずを机の下の籠に捨てながら言った。
「……」
ペルラはディアバスの顔を覗き込んだ。
「あれ? もしかして嫉妬してるの?」
「してない……」
「してるでしょ? ただの絵なのに。おバカなディア」
ペルラは姿絵を折ると、机の下の籠へ入れた。
「ほら、これで気分は直った?」
「……うん」
ディアバスは目を逸らしながら、組紐を握りしめた。
「さあ、お昼ごはんを食べに行きましょう」
ペルラは糸の箱を閉めると、立ち上がって、ディアバスの背中を押した。




