84. バサルク王宮編(27) 計画
※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。
ペルラは、ディアバスの部屋の寝台に寝かされていた。
夜更けにピレイの手引きで、ディアバスが奥宮に行き、連れて来たのだった。
ペルラを海の離宮へ移し、転地療養させるためだ。
ピレイの独断、ディアバスが奥宮に入ること、婚約期間中にペルラが奥宮を離れること。
全てが王宮で禁じられていた。
ディアバスも、はじめピレイから計画を聞いた時には驚いた。
オーニチェが知った時の怒りと悲しみを考えると迷ったが、ペルラを王宮から出すには計画に乗るしかないと思った。
王宮内の人目につかないよう、深夜にペルラを奥宮からディアバスの部屋に移し、外の移動は安全のために朝明るくなってから、オーニチェが朝儀に出る間にペルラを離宮へ移す計画だった。
想定外だったのは、ペルラが朝食を食べる遅さだった。
粥を数口食べるごとに、ペルラは休憩が必要だった。
もはや出発時間を過ぎており、途中で切り上げることもできたが、ペルラの回復を思えば、食べられるだけ食べさせたかった。
粥を食べるとペルラは寝てしまった。
盆にはまだ果汁のコップが残っていた。
もう少ししたらペルラを起こして、果汁を飲ませようと、ディアバスは思った。
そのとき、ディアバスの部屋の入り口がにわかに騒がしくなった。
まもなくドアが勢いよく開けられた。
「ペルラはいるか?」
剣を持ったオーニチェだった。
朝儀を終え、ペルラが奥宮にいないことに気付いたのだろう。
ディアバスは反射的に立ち上がった。
「どけ」
オーニチェは剣をディアバスに向けた。
ディアバスは少し横に避けた。
寝台には、ペルラが寝ていた。
オーニチェは剣を鞘に収めると、駆け寄り、ペルラの手を取って、自分の頬につけた。
「ペルラ。ここにいたのか」
ペルラはゆっくり目を開いた。




