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82. バサルク王宮編(25) 願い

※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。

ペルラの熱は下がったが、相変わらずほとんど食べられなかった。


あれほど楽しみにしていたパイナップルのスープも、口にしたのはわずかだった。


それから数日が経っても、食事の量は戻らない。


オーニチェは回廊を歩きながら、何度目か分からないため息をついた。


ディアバスと話そう。


何を話すのかは、まだ決めていなかった。


ただ、ペルラのことを話したかった。


ディアバスの部屋の前まで来ると、中から話し声が聞こえた。


近衛がオーニチェに気づいて姿勢を正した。


オーニチェは片手を上げてそれを制した。


ディアバスの声が聞こえた。


「ペルラ、どうだった?」


もう一人の声が答えた。


「寝てた」


「そうか。あの面会以来、俺は会ってないけど……熱は下がったんだろ?」


「ああ」


「もう少し持ち直したら、結婚式か。

俺もついに自由の身だな」


「そうだな」


「バサルクにもだいぶ慣れたし。

ここでの暮らしも結構気に入ってる」


少し間が空いた。


「ペルラも、きっと良くなる」


オーニチェは静かに拳を握ると、踵を返し、来た道を戻っていった。



しばらくして、ヴィレンスが口を開いた。


「でもさぁ……」


「何だよ」


「ペルラ、ガリガリだぞ」


「ガリガリって……そこまでじゃ。って、お前、ペルラの何を見た?」


「……顔」


ヴィレンスは呆れたようにディアバスを見た。

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