↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
61/140

61. バサルク王宮編⑥ 侍女

※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。

「今日の授業で組紐を見ました。バサルクの組紐って、きれいですね」


ペルラは、髪を直してくれる侍女に話しかけた。


ペルラは、将来の王太子妃として必要な知識を学ぶため、王族教育を受け始めていた。


「はい。組紐を趣味にする貴族女性も多いですよ」


「そうなのですね。私も作ろうかしら」


「まあ、ペルラ様、すてきですわ。

早速、糸を取り寄せましょう。何色がよろしいですか?」


「そうねえ。私はパステルカラーが好きなんだけど……」


――ディアバスなら、黒と青と銀……。


ペルラは頭を振った。


「オーニチェ様に差し上げるなら、何色がいいかしら?」


「まぁ!」


侍女達は満面の笑みを浮かべた。


「ちょっと……何か恥ずかしい……」


ペルラがうつむくと、侍女達が必死に取りなした。


「ごめんなさい、ペルラ様!

私共は笑うつもりではなくて、うれしくて……応援したくて、つい……」


「わかってるわ。でも恥ずかしい」


ペルラは手で顔を隠した。


「恥ずかしくなんかありませんよ。オーニチェ様は旦那様になる方。

オーニチェ様はペルラ様のことをとても大切にされていますわ」


「そうですよ。あんな優しいオーニチェ様、私共も初めて見ます」


侍女の言葉に、ペルラが口を挟む。


「え? そうなの?」


侍女が手を振る。


「いえ、オーニチェ様は普段からお優しいんですよ。

下々の者にもよくしてくださいます。

そうではなくて、ペルラ様には特別なのです」


「そうです、本当にうれしそうな表情をされてますわ」


「ええ、ペルラ様が毎日どう過ごされているか、それはそれは心を配られていらっしゃいますわ」


そう聞くと、ペルラは余計に恥ずかしくて、すっかりうつむいてしまった。


「オーニチェ様なら、黒は外せませんわね」


「黒と合わせるなら、赤がいいですわ。愛の色ですし」


「バサルク王国の森の緑と、金色を入れたいですわ」


「ペルラ様の瞳の紫色と、髪の淡いミントグリーンの組紐も見てみたいですわ」


うつむいたままのペルラの後ろで、侍女達は盛り上がっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。