↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
59/93

59. バサルク王宮編④ りんご

※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。

「うーん。別に、りんごでなくてもいいのにねえ」


アルモンドは言った。


今日の昼食は、部屋で食べていた。


デザートはりんごだった。


十分おいしい。

ただ、ムーンストーン王国で食べるものに比べると、わずかに水分が抜けていた。


バサルク王国には、おいしい南国の果物が山ほどある。


なぜわざわざ、バサルクでは採れないりんごを出すのだろう。


「オーニチェがペルラのために取り寄せた」


ヴィレンスが言った。


「なるほど」


アルモンドは、もう一切れりんごを食べた。


「私たちはご相伴にあずかっているわけですね」


ムーンストーン王国では、りんごはごく一般的な果物だった。大きな産地もある。


ペルラのホームシックを和らげるために、故郷で食べ慣れたりんごを取り寄せたのだろう。


なかなかいい話である。



「殿下は、りんごはお好きではありませんでしたか」


侍従に声をかけられ、ディアバスは我に返った。


「いや、そういうわけではない」


ディアバスは、昼食のりんごに楊枝を刺した。


刺したところから、果汁があふれて、静かに流れた。


ペルラは果物なら何でも好きだった。


りんごも好きだった。


ただ、生で食べるより、ディアバスが焼くりんごケーキの方がおいしいと言っていた。


ペルラは、りんごの皮がない方が好きだ。


それでも、急いでいて皮を剥かずにケーキへ入れたときには、


「皮があるのも、かわいいからいいね」


と言って食べていた。


ペルラは、りんごケーキにバニラアイスを乗せるのが好きだった。

アイスを乗せないディアバスにも、毎回「アイス乗せる?」と聞いてきて、面倒くさかった。


ディアバスは、りんごを見た。


楊枝の穴から流れた果汁はすでに止まって、りんごの表面はまた少し乾いていた。


ディアバスはりんごを食べた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。