46/92
46. ジュニパー編③ 半分
※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。
「イグニス様は、ピアノ弾けますの?」
「うーん、小さい頃に少し習ったけど、弾けるとは言えないな。
ピアノの中を見たくて、半分に切ったら、母とピアノの先生に叱られて大変だったよ」
「イグニス様! それは叱られますわ~!」
淡い紫色の髪を揺らして笑うイグニスに、ぺルラも紫の瞳を細めて笑った。
「ピアノは半分に切れるものなのですね」
「そうだね。基本的には木だからね。
すぐに次のピアノを母が買って、練習は続いたよ」
「練習からは逃れらなかったのですね」
ぺルラとイグニスは楽しそうだが、ジュニパーや世の音楽家が聞いたら卒倒しそうな話である。
そう思いながら、アーバスことディアバスは三人分のお茶を淹れた。
イグニスは、ぺルラの植物の様子を時々見に来ては、お茶や食事に混ざるメンバーになっていた。
「イグニス様、ぺルラ。さぁ、お茶にしよう」
「アーバス、ありがとう。今日は何だ?」
「私、知ってますわ。レモンタルトですよ」
「レモンタルトか! 楽しみだな」
「はい。アーバスのレモンタルトは最高ですわ」
ディアバスがレモンタルトをテーブルに運んできた。




