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31. イグニス編⑥ アクアとローエン
※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。
カフェには、焼き菓子の甘い香りが漂っていた。
席に着いているのは、アクアと婚約者のローエンである。
「はぁ、どれにしようか迷っちゃうわ」
アクアはメニューを見つめた。
「ゆっくり選んで。僕は」
「待って! コーヒーでしょう?」
「そう」
「ローエンはいつもそれなんだから。たまには違うの頼んでみたら?」
「例えば? アクアのおすすめは?」
「そうね、初めてのお店って迷うわ……。この『流れ星と妖精の巣のパフェ茶』は?」
アクアはいたずらっぽい目で、ローエンを見た。
「え? 流れ星と……何だって?」
ローエンは、アクアが指差した先を見た。
「なになに……『流れ星と妖精の巣のパフェ茶』。レモンとオレンジのお茶のグラスの上に、三層の綿飴と三層のアイスが盛ってあり、花と果物を刺した発光棒のピックが三本と、飴細工が五本刺してあります……。こんなの、どうやって飲むんだ?」
「それは、上を食べてから飲むんでしょう」
「アクア! 本当におすすめなのか?」
「ふふっ」
アクアは笑った。




