↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
25/87

25. 【閑話】小箱のその後

※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。

※【21. ミリス編⑥ 小箱】、【22. ミリス編⑦ 帰宅】の続きです。


ベルデが屋敷へ帰ると、ペルラとディアバスがほとんど同時にやってきた。


「お兄様に話があるの」


「兄貴、俺も言いたいことがある」


「何だ?」


「今日、ミリス様が……」


「飴が……」


「待て待て。一人ずつ言え」


まず、ペルラからミリスのアルマンディン行きについて聞いた。


一通り話を聞き終えたベルデは、今度はディアバスを見る。


「それで、お前は?」


「これ」


ディアバスが金の小箱を見せた。


ベルデにも見覚えがあった。


ディアバスが幼い頃、バサルクから送られてきた母王妃の遺品だ。


「これがどうした?」


「開けて」


ベルデが蓋を開けた。


「……」


数個の飴が溶けていた。子供の頃にペルラがお気に入りだった飴だ。金細工の細い溝や凹凸に入り込んで固まっている。


ベルデはペルラを見た。


「ペールーラー!」


「ごめんなさい!」


ペルラがすぐに謝った。


「ディア、ごめん。許して。もう時効じゃない?」


「他人の大切な物を汚しておいて、時効なんかあるか!」


「そうだ!」


ディアバスも頷いた。


「ごめんなさい……」


ペルラはしゅんとした。


ベルデは小箱を指差した。


「責任を取って、しっかり掃除しろ!」


「ん?」


ディアバスがベルデを見た。


ペルラは顔を上げた。


「そうよね。分かりました!」


力強く宣言する。


「一番強力な洗剤と爪楊枝を使って、力いっぱいゴシゴシ掃除しますわ!」


「よし! その意気だ!」


ベルデは満足そうにうなずいた。


「え? 待って待って」


ディアバスは慌てて小箱を引き寄せた。


「やらなくていい。もう時効。時効だから大丈夫」


「え? そんなこと言わずに」


「そうだ、ディア。お前、ペルラを甘やかしちゃダメだぞ」


ディアバスは小箱を抱きしめた。


「お願いだから何もしないでくれ」


そう言うと、ディアバスは部屋を飛び出して行った。


〜閑話 終わり〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。