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114. 海の離宮編(26) 寝顔
※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。
ディアバスはペルラの寝顔を見ていた。
飽きなかった。
むしろ起きないでほしいと感じる程だった。
あと少しでバサルクを去るのかと思うと不思議な気持ちがした。
兄オーニチェと会えなくなることや、父王のそばにいられなくなることは残念だったが、去り難いという程ではない。
これからは連絡も取りやすいだろう。
それよりも、ずっと訪ねてみたかった祖国が、ペルラにとって混乱した辛い思い出になることが悲しかった。
何ヶ月もあったのに、ペルラもディアバスも、ほとんど王宮と離宮から外出していなかった。
もしペルラとの結婚が叶わないなら、もうペルラとバサルクに来ることはないだろう。
離宮は、空気も日当たりも良く、立地もムーンストーン王国に向いた海岸にあり、確かにムーンストーンに行くには便利だ。
だが、今のペルラに、毎日ずっと海を見せているのがいいのか?
帰れない家をずっと見せているのではないか?
せっかくだからバサルクの他の美しい場所を見せてみてはどうか?
移動が負担だ、襲撃が心配だと、兄上は反対するだろうか?
「う……」
ペルラが顔をしかめて、目を開けた。
ペルラはディアバスを見た。
「ディア、おはよう」
表情は固いまま動かなかったが、紫色の瞳の奥はきらきらしていた。




