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110. 海の離宮編(22) 夜の海
※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。
「ペルラ! 待て! 止まれ!」
ディアバスはペルラを追いかけた。
ペルラはすでに腰まで海に浸かっていた。
ディアバスはペルラを抱きしめた。
「夜の海に入るな、ペルラ。お願いだ」
ペルラは無言で動かなかった。
「海を歩いて、ムーンストーンには行けないぞ。
船を待て、待ってくれ。
もうすぐ来るから」
ペルラは波をかぶりながら、じっとしていた。
「俺と結婚しなくてもいい。そんなことはどうでもいいんだ。
ペルラを苦しめるなら、結婚なんて望まない。
だから、この世界からいなくならないでくれ」
太陽が完全に落ちようとしていた。
ディアバスはペルラを抱き上げた。
ペルラは何も言わなかった。
ペルラと間違いなく目は合っているのに、その目からは何も読み取れなかった。
「だけど……
ペルラが何と言おうが、離したくないんだ……
どうしたらいい?
ペルラが苦しんでいる今も、本当はずっと死ぬまで隣にいたいと思ってる……
俺はどうしたらいいんだ?」
もう暗くてペルラの顔は見えなかった。
近衛達がランタンを持って、砂浜にいるのが見えた。
ディアバスはペルラを抱いたまま、海から上がって、砂浜を歩いた。
そのときペルラが顔をディアバスの胸に寄せた気がしたが、勘違いかもしれない、とディアバスは思った。




