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104/144

104. 海の離宮編(16) 前室

※主な登場人物は、作品あらすじ欄にまとめています。

ディアバスは前室のソファの陰にペルラを降ろした。


「ペルラ、ここに隠れていろ」


ペルラと初めて目が合った。

ペルラは小さくうなずいた。


ディアバスは立ち上がって、部屋を見回した。

寝室では近衛が男達と戦っていたが、廊下からも剣の音と怒号が聞こえていた。

ディアバスは剣を握り直した。


廊下から男達と離宮守備隊がもつれ合いながら、前室になだれ込んできた。

男達はいずれもかなり傷を負っていたが、守備隊は致命傷を与えず侵入者を生け捕りにしようとしている様子だった。


「お前はもはやバサルクの王子ではない!」


血まみれの男の一人は叫ぶと、剣を素早く振り回した。

守備隊が一瞬距離を取った隙に、男はディアバスの方に突進してきた。

同時に、寝室から誰かが短剣を投げた。


「死ね! ディアバス!」


寝室の近衛が止めようとしたが間に合わなかった。


「殿下!」


ディアバスは反射的に、飛んで来た短剣を剣で振り払ったが、血まみれの男が接近していた。


「ディア!」


後ろでペルラの声がした。


ペルラが投げた何かが、血まみれの男の肩に当たって、床に落ちて砕けた。


男が一瞬動きを止めたのを、ディアバスも守備隊も見逃さなかった。

ディアバスが男を浅く斬りつけると、男は崩れ落ちた。

守備隊がすかさず馬乗りになり、縛り上げた。


ディアバスはもう一度部屋を見回した。剣の音はすでに止み、侵入者達は制圧されていた。

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