66:奥義炸裂!これがロシア文学だ!
俺は確かに、この男から学んだ。
この世界に来て、言葉の壁に苦しみながら、それでも俺は戦い続けてきた。
文学も、運命も、そんなものを超えて!! 俺の拳で、俺の生き様で!!!
だからこそ、ここで決着をつける!!!!
「いくぞ、師匠おおおおおお!!!!!!」
俺は叫びながら、地面を蹴った!!
――そして、俺の口から、なぜかNHK『まいにちロシア語』の例文が飛び出した。
「Это моя квартира!(これは私のアパートです!)」
「はあああああ!?!?!?」
困惑するドフトエフスキー!! だが俺は止まらない!!!
「Я купил билет на поезд в Москву!(私はモスクワ行きの列車の切符を買いました!)」
「何を言っている!? 言語の乱れは精神の乱れだああああ!!!」
ドフトエフスキーの拳が俺の胸にめり込む!! ぐはっ!!!
「Она работает в библиотеке!(彼女は図書館で働いています!)」
俺は衝撃に耐えながら、カウンターで投げを放つ!!
「なぜそれなんだああああ!!!!」
ドフトエフスキーの巨体が宙を舞う!! しかし、すぐに体勢を立て直し、俺に突進してくる!!!
「Вы говорите по-русски?(あなたはロシア語を話しますか?)」
「てめええええええ!!!!!」
拳と拳のぶつかり合い!!!!
俺のロシア語学習の成果が、今まさに活きる時!!!!
「Я люблю читать книги!(私は本を読むのが大好きです!)」
「そうか!!! 俺もだあああああ!!!!!」
「Я люблю читать книги!(私は本を読むのが大好きです!)」
「そうか!!! 俺もだあああああ!!!!!!」
ドフトエフスキーの拳が俺の頬をかすめる。
俺は全身の力を込めて踏み込む――!!
「Советский Союз строит социализм!(ソビエト連邦は社会主義を建設している!)」
「貴様!! 俺の時代にソ連はまだないぞおおおおお!!!!」
ドフトエフスキーの怒号が轟く!! だが俺は止まらない!!
「Мы должны бороться с врагами революции!(我々は革命の敵と戦わなければならない!)」
「貴様はいったいどこの時代の人間だああああ!!!???」
「Коллективизация - наш путь к будущему!(集団農場化は未来への道だ!)」
「勝手に未来を決めるなああああ!!!文学はそういうものではないいいいい!!!!」
ドフトエフスキーの拳が俺の腹にめり込む!!! ぐはっ!!!
「Каждое утро мы поем гимн Советского Союза!(毎朝、我々はソビエト連邦の国歌を歌う!)」
「どこまで未来の話をしてるんだ貴様ああああ!!!!!!!!」
ドフトエフスキーが雄叫びとともに拳を振り上げる!!
「Русские писатели создают великие произведения!(ロシアの作家たちは偉大な作品を生み出す!)」
「それは正しい!!!!!」
俺とドフトエフスキーの拳が、空中で激突!!!
周囲の建物が揺れる!! 冬宮広場の石畳が砕ける!!!
「У нас нет пути назад!(我々に後退の道はない!)」
「その通りだあああああ!!!!!!!」
「ぐおおおおお!!!」
俺とドフトエフスキーの拳が激突した瞬間、轟音が響き渡る!!!
冬宮の外壁が崩れ、エルミタージュ美術館のガラス窓が砕け散る!!!
「このままじゃ……ペテルブルグが崩壊する!!!」
「ならば、全てを変えてみせろ!!!!!」
ドフトエフスキーの拳が俺の腹に突き刺さる!!!
その衝撃で、宮殿橋の欄干が吹き飛び、鉄柵がネヴァ川へと落下していく!!!!
だが――
救世主の血の上の教会だけは、一切の傷を受けていない。
まるで神がこの戦いを見守っているかのように、光が降り注ぐ。
拳と拳の応酬!!!!
熱すぎる!!! これこそが文学!!!!!!!!
俺とドフトエフスキーの拳が、冬宮前広場のど真ん中で激突する――!!!!
「これで決めるぞ、師匠おおおおおお!!!!!」
俺は地を蹴り、全身の力を拳に込めた。
ドフトエフスキーも構えを取る。
「バカ弟子があああ!!!」
彼の声が轟くとともに、空が赤く染まった。
地鳴りが響き、ペテルブルグの大地が震える――。
足元の石畳が割れ、そこからマグマのような熱気が吹き出す。
「これが、ロシア文学流・極致!!!」
ドフトエフスキーの拳が燃え上がる。
「――虚無爆炎拳!!!!!!」
「くそっ!!! ならばこっちも――!!!」
俺も負けじと拳を構え、全力を叩き込む!!!
「流派日本柔道奥義!!! “文学改変投げ”!!!!」
ズドォオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!
俺たちの拳がぶつかった瞬間、ペテルブルグの地面が崩壊し、
衝撃波が街中を駆け抜けた!!!!!
空には黒雲と紅蓮の炎が渦巻き、火山が爆発している!!!
だが、もう後戻りはできない!!!!!!
「なっ、なんだこの戦いは!!!」
「こんなの、もはや人間同士の決闘じゃねえ!!!」
民衆が恐怖に怯えながら避難しようとする。
だが――その時だった!!!
「待てえええええええええぃ!!!!!!」
エパンチン将軍が、静かに前に出る。
「我々はここで戦いを見届ける!!!」
「な……!? 將軍!!?」
彼は振り向き、一喝した。
「これはただの戦いではない!!!」
「これは……人の魂を賭けた闘争!!!」
「我らがロシアが誇る文豪、ドフトエフスキー!!!」
「そして、異世界より来た狂人、山田タカシ!!!!」
「この戦いを、どうして見届けずにいられようか!!!!」
「これぞ――文学の闘争!!!!!!!」
「見よ!!! ペテルブルグは赤く燃えている!!!!!!!!」
「お、おおおおおおお!!!!!」
民衆が叫ぶ!!!
俺は振り返らない!!!!
「おおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」
俺とドフトエフスキーは、全身の力を込めた最後の拳を――互いに叩き込んだ!!!!!!!!!




