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魔法を信じるかい? ― マッドサイエンティストの異世界旅行  作者: 黒々猫
■■■■■■ 第5章 エルセリアの新たな始まりはマッド風味
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■■■ 【サブストーリー】テキナ Step001 日常の崩壊

俺はテキナ・バースウィック。

エルセリアの領主、エバン・バースウィックの長男だ。


もう28歳なので、親からは早く結婚しろと言われているのだが...。

まだ女で遊んでいたいんだよな。


だが、実は既に目を付けている女がいる。

タニア・ソフリート。「紫紺の魔女」と呼ばれている女だ。


彼女はジョーチェ法皇家に連なる、王位継承権第5位の皇女なのだが、今は野に下っており、なんとこのエルセリアに居を構えている。

なんとかして彼女に近づきたいのだが、なかなか機会に恵まれない。

領主主催の舞踏会に招待しても、一度も参加しない。


いや、一度参加したのだが、その時の周りの対応が悪く、問題が発生してしまった為に以降は参加しなくなったのだ。


今の国王家には、タニアとリア以外の未婚の女はいない。というか娘がいない。

だから、タニアを狙う男はあちこちにいるが、今のところ特定の男と交流がある訳ではない。

リアを狙っている者もいるが、そっちも成功しているようではないみたいだな。


いや、隣の男爵家の小僧がいたな。

隣だからと頻繁にタニアに接触をしていると聞く。

もっとも、俺から見ても全然相手にされていないようだが。



ともかく、その舞踏会に参加した男どもがこぞってタニアに殺到してしまって、場は混乱し、他の女共が拗ねてしまって、最悪な空気になってしまったのだ。


以降、タニアは舞踏会などの催し物には一切参加しなくなった。



どうしてもタニアを手に入れたい。

あの美貌を俺の手で歪めてみたい。

あの豊満な身体を堪能してみたい。


そう思っている所に父上からクラスタンプ王国に寝返る。という話を聞いた。


父上は有能な方だ。

お爺様から領主を引き継いでからは、領地は安定している。


ただ、37年前のクラスタンプとの戦争以降、戦争がない事に不満を述べておられた。

言い分としては、「力があるのであれば、それをもぎ取ってこそ意味がある」との事だ。


もちろん、俺としても賛成だ。

なんせ、戦争で活躍すれば簡単に上に行けるからな。

そもそも、この世界は力こそ正義なのだ。力があれば何でも出来る。色んな女を抱けるという事だ。


ともかく、クラスタンプ王国に使いを出し、共同戦線を張る事にしたのだそうだ。

クラスタンプはこのエルセリアを、父はエルセリアをそのまま管理し、ジョーチェ法皇国への足がかりとし、さらにトモニアを手に入れる。という筋書だ。


そして、俺はタニアを手に入れる。


既に計画は動き出しており、準備も進んでいるのだ。



そんな折、タニアが外出した際に男を連れていたという噂を聞いた。


馬鹿馬鹿しい。

タニアが俺以外の男と歩くなんでありえない。

どうせ、使用人か何かだろう。


と、思ってこの時は調査も何もしていなかった。


この時の事はちょっと後悔している。

事前に調べておけばと、後から思ったものだ。



そして数日後、先日発生したトモニアのコボルド討伐の報告書が来た。

サイクロプスも発生したらしく、それも1匹ではなく、2匹もだ。


討伐に当たったのはリアだった。

あいつはタニアの妹で、それなりの身体つきだが、まだ幼い。もう少し育ってからでも十分だろう。


相方はミームという戦士だったか。

アレは筋張っていて興味はない。胸も薄いしな。


しかし、この2人ではサイクロプスの討伐なんて出来ないはずだが?



報告書を読んでいく内に驚くべき事実が分かってきた。


あのタニアが動いたそうだ。


まぁ、妹の討伐依頼に参加しただけらしい。

高名な「紫紺の魔女」だからな。サイクロプスぐらいはお手の物なのかもな。


それにしても、この「リョウ・カダヤ」という男は何者だ?

そもそも、男がここまでタニアに接近した事はないはずだ。

トモニアでは一緒に宿に泊まったとか。嘘だろう?


確認すると、先日のタニアと一緒に居た男がこいつらしい。


タニアと同じ魔法使いで、タニアの「友」だそうだ。

そんな奴、今まで居なかったぞ?

ひょっとして、魔術学校の知り合いか?


そんな事を考えていたら、別の報告書には「極東の国の貴族の三男坊」と書いてある。

そして、数日前にエルセリアに入ったそうだ。


と、いう事はタニアと会ったその場で友になったのか?

しかも、その日はタニアの屋敷の泊まったという。



これは見過ごせないな。

あのタニアが急に男になびくとは思えないが、身体を開いた後であれば女は簡単だ。


とにかく注意して観察して、必要であれば闇に葬ろう。

俺には出来るし、権限もある。


俺は領主の息子だからな。



そして、報告書で一番驚いたのは「魔石」の事が書かれている事だ。


どうして見つかった?そもそも洞窟になぜあるんだ?

それについては報告書には書かれていなかった。


てっきり、トモニアとエルセリアの中間ぐらいに埋めた魔石の影響で、洞窟にコボルドが集まったと思っていたのだ。

だから、兵を動かしてまでの事はしないようにしていたのだ。

もっとも、魔石とはかなり離れているが、そういう事もあるんだろうと思っていたが、違っていたようだ。


実は、今回の裏切りの一環でクラスタンプから二つ魔石を預かったのだ。


クラスタンプの実験で、魔石に魔物や妖魔が引き寄せられるという結果があった。

なので、魔石を使ってエルセリア周辺に魔物や妖魔を引き寄せようとしたのだ。


さっきも説明したが、1つはトモニアとエルセリアの中間ぐらいに軽く埋め、もう一つはベールナル大森林の廃墟の中にも投げ込んでおいた。


もっとも、俺がやったのではなく、手下に実行させたんだがな。



ベールナル大森林の廃墟はアンデッドの巣になっているらしいからな。

かなり面倒な事になると思っているが、まだこっちは動きがないようだ。



もう一度報告書に目を落とす。

魔石はタニアが持ち帰ったそうだ。

きっと解析や調査をするんだろうが...まぁ、魔石から俺にたどり着く事は出来ないか。


だが、念には念を入れた方が良いかもな。



俺は副官のミフルを呼び出し、タニアの動向を調査させる事にした。


いや。

その前にこのイライラをミフルで発散してからだ。


呼ばれてやって来たミフルを強引に脱がせ、ベッドに押し倒した。


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