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魔法を信じるかい? ― マッドサイエンティストの異世界旅行  作者: 黒々猫
■■■■■■ 第5章 エルセリアの新たな始まりはマッド風味
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■■■ 【サブストーリー】ミーム Step001 日常の崩壊

面白い男が現れた。


トモニアのコボルド討伐を終わって、家...いや宿でのんびりしていたらリアがやってきたのだ。


「ミーム!コボルド討伐に行くわよ!!」


ドアを開けると同時に、リアが叫んだ。


「ちょっとリア!うるさいわよ!」

「ごめんごめん!でね、今から屋敷に来て欲しいの」

「は?今から?そんなに急ぐの?」

「急がないけど、面白いの!ちゃんと夕食食べさせてあげるから」

「よし、じゃあ先に屋敷に行って、軽く食べさせてもらってから、夕食にしよう」

「じゃあ行こう!」


無理矢理に屋敷に連れられて、そこで聞いたのは「タニアに男が出来た」という話だった。



タニアに男!?



ありえない。

リアに男が出来る以上にありえない話だ。


ともかく、興味本位で新たなコボルド討伐の参加を決め、夕食に臨んだ。


やはり屋敷の食事は違う。とても美味いし量もある。しかもタダと来れば言う事は何もない。


食事の最中に件の男を観察する。


変わった男だ。

と、思っていたら、同席していたスバンが暴走を始めた。


なんだ?タニアが男を連れてきたので対抗しているのか?

そう思っていたら、リアと男...リョウがスバンを弄びだした。


これは、とても面白い奴だ。


喰いながら、この男に興味を持った。



コボルド討伐は楽だった。

こんなに楽だった事はない。


洞窟の中も明るく照らしてくれるので、何も問題はなかった。


最後の最後ででっかいコボルドが出てくるまでは。


コイツはなかなか面倒な奴だ。

負けはしないが、無傷では難しそうだな。


そう覚悟をした時、リョウが進み出て、魚を取る網みたいなのを飛ばした。

あ~、確かにこういう風にすれば動きを封じる事も出来るな。


と、思ったが、それだけでは無かった。


電撃の魔法が放たれたそうで、ボスコボルドは真っ黒こげになった。

いや、流石にアレにはビックリしたよ。


そして極めつけはサイクロプスだ。

同時に二匹も出てくるとは、正直ついてない。


そうしたらリョウが急に作戦を言いだして、タニアに電撃も魔法を唱えさせ始めた。


こりゃ、覚悟を決めてやらなきゃならないと思ったね。


あとは知っての通り、二匹まとめて倒してしまった。

一匹は私がトドメを刺して、もう一匹はリョウがトドメを刺した。


これだけだと、私も活躍したように聞こえるだろうが、全てはリョウの手のひらの上の出来事だ。


私はタニアを敵にするのは止めようと思っていたが、そこにリョウが加わった。


だが、リョウは面白い奴だ。

聞けば異世界からの訪問者だそうで、私もちょっとだけ異世界に行かせてもらった。


しかし、その直前の出来事がまた面白い。


タニアが「リョウと旅に出る」と言いだしたんだ。

リアが必死になって「自分も付いて行く」と言ったんだが、タニアがダメと言う。


結局リアが泣いて、タニアが狼狽し、リョウが困ってしまった。

私はタニアがリョウと結婚するのかと思ったから、リアもそう思ったハズだ。


しかし、そうではなくて、単にタニアがリョウの世界を旅するだけだった。

答えを聞けば大したことはないが、タニアの急激な変化を見ると、どうしてもタニアがリョウを好きになっているとしか見えないしな。

リアもそう感じたはずだ。


そこでリョウが自分が異世界人だと話をして、リアに納得してもらい、リョウの世界に旅立った。

リョウの世界で何があったかは知らない。

だが、タニアはかなりリョウに依存するようになっていた。


次にあった時は領主の暴動の時だ。

いきなり屋敷に呼び出されて、夜霧という乗り物に乗り、お風呂に入って、みんなで同じ部屋で寝た。

冒険者として生活しているので、雑魚寝は慣れたものだが、乗り物の中にベッドがあるのは面白い。


明日は危険な場所に行く事になるのだが、タニアとリアからリョウの話を聞いた。


大阪?ではかなり楽しい体験をしたそうだ。

あのタニアが上手に説明出来ないとの事で、驚いた。

まぁ、ゲートを一度通ったが、あの部屋だけでも驚いたからな。仕方ないかと思う。


それから急遽首都に行く事になって、カラーとかいう、ゴーレム?らしいが普通の人間にしか見えない女性を拾って、首都について、王様と話、食事をしてたらエルセリアで暴動が起きそうという事を知って、その日の内に戻って来るという、あまりにも信じられない事をしてエルセリアに戻って来たと聞いた。


リョウの事を知らなければ、「こいつら、頭壊れたんじゃないか?」と思うぐらいだ。


もう少し話を聞きたかったんだが、習性というのは怖いもんだな。夜更かしする事もなく、眠りについた。



翌日の暴動阻止はありえない展開だった。

ぶっちゃけ、私は立っているだけだ。

全てはリョウが決着を付けてしまった。

タニアが領主にトドメを刺したが、その前に勝負はついていた。リョウが出た時点で全てが決まっていた。


先にリョウの作戦を聞いた時は戦慄を覚えた。

全てが理に適っている。

情報もきちんと取っている。

それもあり得ないぐらいの精度でだ。


これが...異世界人の力...違う、異世界の力だ...。


この時はっきりと分かった。



リョウはバケモノだ。



だけど、これも知っている。



リョウはお人よしだ。



だから大丈夫。

優しくて、ちょっとだけ抜けていて、でも気遣いが出来て、色んな事を知っている。

変で、変わっていて、面白い男。


それが、リョウだ。


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