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魔法を信じるかい? ― マッドサイエンティストの異世界旅行  作者: 黒々猫
■■■■■■ 第4章 異世界のやはりマッドな世界
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■■■ Step037 国王と法皇と大将軍に謁見するマッドサイエンティストの末路

近衛兵団将軍の案内に従い、王城を歩く。

そして、我々の後ろには兵士が3名付いてくる。


前後を挟まれているので、護衛されているのかも知れないが、おそらく私とカラーを警戒しているんだろうな。

タニアとリアは実質はお姫様だからな。



待合室から謁見の間までの間、かなりあちこちを歩かされるが問題ない。

あちこちに歩かされるのは、王城内を迷路として敵を惑わすためだろう。


しかし、私はGPS機能で千里眼と夜霧によって現在位置を確認。

さらに胸に仕込んだカメラにより、画像から3Dデータに変換し、城内の構造を解析。


こんな本物の城の構造、放っておける訳がないではないか!!



などと考えながら歩いていたら案内していた将軍が止まった。


目の前には大きな扉。サイクロプスも通れそうだな。


「この奥が謁見の間になっています。アルタニア様、アリアル様はともかく、そちらの2人、特にリョウ・カダヤ殿は無礼の無いようにしていただきたい」


集中攻撃されてしまった。

まぁ、自覚があるから別に気にならないけどね。


そもそもの話だが、無礼を働く気はないが、ここの常識がないんだよな...。

どうしよう?


「ゼルヴァン。リョウは遥か東の国の人間なので、こちらの礼儀が分からない。多少の事は目をつぶれ」


タニアが助け船のつもりなんだろう。近衛将軍に私の事を言ってくれた。

ん?カラーは良いのか?


それを聞いた近衛将軍は、ちらりと私を睨んできた。

なんで?アタシ、貴方には何もしてないわよね?


今度はタニアに向かう。もちろん、そちらは睨まない。


「承知いたしました。が、国王陛下が何と言われるか...」

「それは私の方で対処する。リョウは私の親友だ。お前は控えておけ」

「...は...」


素直に返事をしているけど、近衛将軍の雰囲気は不服そうだ。


タニアさん、ありがたいんだけど、もう少し柔らかく言ってあげて。

ゼルヴァンさん、可哀そうじゃん...。


そして、アタシへの視線が痛いです。


「では、持っている武器をお預けください」


入り口前に立っていた近衛兵士が手を差し出してくる。

空気を換えていただいて助かりました。


持っていた星砕丸を外し、彼に手渡し、腰に巻いていたホルスターも外して、それも彼に渡す。


日本刀は素直に受け取ってくれたが、拳銃については不思議そうな顔をしていた。

説明をしても良いが、時間がないので良いだろう。


あと、武器ではないがトランクも預ける。


王様に会うのだ。基本手ぶらだろう。



「そちらの方も武器を出してください」


見るとカラーが女性兵士に言われていた。


「申し訳ありませんが、私は武器を帯びておりませんので、お渡しする物が無いのです」


フルプレートメイルなので、隠し武器とかがありそうだと思っているのだろう。

一応事前に私も確認したが、そんなものは一切なかった。


「大丈夫だ。その者は一切の武器を持っていない。私が保証しよう」

「そうなのですね。承知しました」



それにしても、変わったパーティーだな。


「悪の科学者」を自称する、白いスーツに黒マントの私。

「紫紺の魔女」として名を馳せる、王家の娘である魔術師のタニア。だが、服装は黒の長Tシャツにベージュのズボン。白いスニーカーだ。

そして、その妹の武闘家。こちらはピンクのシャツに萌葱色の裾の絞ったズボンに黒のスニーカー。

最後が全身金色の鎧に包まれた美女だ。


大丈夫か?これ?


まぁ、タニアが何も言わないので良いだろう。



静かに目の前の扉が開き、近衛将軍に先導されて中に足を踏み入れる。

さて...どんな話になるのやら...。



その部屋は非常に大きく、奥行きのある部屋だった。

映画やドラマでも見た事はあるが、実際に見るとかなり広い。いや、荘厳っていうのはこういうのを言うんだな。


床は大理石だろうか。真っ白なタイルに、黒のタイルで装飾が施されている所に、所々金が混じり、神々しさを演出する。


謁見の間の奥...目測で30mぐらい先に階段が数段あり、一番高い場所に玉座があった。

まだ誰も座っていない。


階段までの空間、私たちを挟むように左右にそれぞれ兵士が等間隔に立っている。

その背後、右手には恐らく武官と言われる人たちだろう。が、並んでいる。

そして左手には文官だろうな。


沢山の人間がいるのに、咳払いや小声も聞こえない。

静かに立っているだけだ。


綺麗に統率の取れた集団というのは、それだけで異様な圧迫感を与えてくる。



階段の手前約5mの位置。そこで近衛将軍が振り返り、一言。


「ここで跪いて待っておれ」


と告げられた。


中世の時代、各国の王は神の代理人として崇められ、敬われた。

なので、王家の者でも王に対しては膝を折るのが当たり前なのだ。


タニアとリア、そして私は膝を折った。

が、カラーは膝を折らない。


「無礼な。跪かないのか?」


近衛将軍が圧力をかけてくるが、カラーは無表情で言い放つ。


「私は神の一柱、イスフォーンに仕える不滅のゴーレムなり。神の代理人に膝をつく理由はない」


まぁ確かにそうなんだけどね。


「貴様!」


と、近衛将軍が激昂するが、カラーはゴーレム故に無表情だ。

気持ちは分かるが、このままではマズイな。


「カラー。お前の心持は十分理解した。だが、神の代理人に対して失礼な事はしてはいけない。膝をつかなくても良いから、腰を折って礼を尽くせ」


これが妥協の範囲内だろう。


「将軍様。この者は礼を知らないのではありません。が、我々とは存在が異なる者ゆえ、これでご承認いただけますでしょうか」


横でタニアが何か言いそうだったので、手で制して黙ってもらう。


タニアの助力は有り難いが、カラーは私に仕えると言ったのだ。

であれば、私が対処しなければならない。


しばらくの間、跪く私と見下ろす近衛将軍の間で睨み合いがあった。

かなりの圧力を感じるが、ここで負ける事は出来ない。

丹田に気を貯め、気合を貯める。


「...礼を尽くせよ...」


よかったぁ~...折れてくれた。


安心してカラーを見ると、こちらを見て頷いて腰を45度ほど折った。

その姿勢は割としんどいんだけど、自分で言ったんだから頑張れよ。



ゴ~ン...。


ドラが鳴った。

どうやら国王が登場されたようだな。


階段の奥の方から数人の足音が聞こえてくる。


ゴ~ン...ゴ~ン...ゴ~ン...。


低いドラの音が謁見の間に響き渡り、緊張感が上がってくる。


そして、この国の王、神の代理人が現れた。



「皆の者、楽にせよ」


これって「面を上げよ」って事だよな。


周りの雰囲気も動きを感じる。

ゆっくりと顔を上げる。


目の前の階段の最上段の一番奥の玉座。

そこに少し薄くなった金髪の壮年の男が座っていた。


おそらく、彼が国王ルイクス・ソラ・バルバクスなのだろう。

いや、さすが国王。半端ない威厳だ。


鋭い眼光で私を射抜いてくる。



国王の向かって右隣りには綺麗な女性が座っている。こちらは王妃リリャン・モノ・バルバクスだろう。


そして、その玉座の向かって右、一段下がった所にも玉座があり、そこにも壮年の男が座っている。

この人がタニアとリアのお父さんだな。法皇タスバーク・ソフリート・バルバクス。


さらに法皇の向かって右隣り。座っているのはタニアたちのお母さんである、皇后シャーリー・ホラン・バルバクスだと思われる。


国王の右、向かって左だな。に立っている男がいる。

彼も金髪であり、国王と法皇によく似た顔立ちをしている。彼が大将軍イブウェル・ノブル・バルバクス。

奥様のヨルージュ・パクス・バルバクスは、現在妊娠中との事なので、おそらく参加していないのだろう。

それらしい人物は見当たらない。



ジョーチェ法皇国の王家のほぼほぼ全員が目の前に現れた。



「タニア。久しいな。壮健であったか?」


玉座から良く通る声が響く。

命令に慣れた人間の声だ。

だが、そこには奢りの気配はない。

上に立つ者の威厳に満ちた声だからだ。


「はい。国王陛下の御威光により、かの地にて平穏に生きております」

「リア。お前も思った以上に元気だな。余は安心したぞ」

「ありがとうございます」


タニアもリアも無難に返事をする。


「して、おぬしがリョウ・カダヤか」

「はい。私がリョウ・カダヤでございます。国王陛下に置かれましては、このような晴れやかな場所にお招きいただきました事、感謝申し上げます」


と改めて腰を折る。日本のお辞儀である。

なお、このお辞儀は意識していない。


「なお、私は遥か東の田舎者故、皆様方に無礼をしてしまう可能性がございますがご容赦くださいますよう、お願い申し上げます」


一応考えておいた口上を言い淀みなく言えた。

早口言葉よりも大変だな、これは。舌を噛みすぎて口の中が血だらけだ。嘘だけど。


「よい。おぬしの事は聞いておる。突然現れたタニアの友人。問題になりつつあったトモニアのコボルド問題をサイクロプス問題と一緒に解決してくれたそうだな。国を預かる者として、民に変わり礼を言う」


国王がこうもあっさり礼を口にするとは思わなかった。

この王は、思っていた以上に器が大きいのかもしれない。


「その事については、儂からも礼を言わせてもらおう」


と、国王の一段下、恐らく法皇...タニアのお父様が声を掛けてきた。


「民の不安を消してくれた事についてはな。アルタニアとアリアルに関しては、また後程ゆっくりと聞かせてもらうがな...」


やっぱりお父様でした。

しかし、ここで「お父様」と言ったら絶対死刑だよな。


「これは、挨拶が遅くなり大変申し訳ございません。リョウ・カダヤでございます。お嬢様方には大変お世話になっております」


国王との会話のシミュレーションしかしてなかったので、こっちは予想外だった。

思わず、日本的な挨拶をしてしまった。が、失礼な事は言っていないはず。


自信ないが。


「ほぉ!お嬢様方ときたか!これは面白い!!はっはははは!!!」


と、声を上げて笑った。


え?あれ?この反応...そしてこの空気の流れ...失敗したかも?

と考えていたら、ピタリと笑いが止み、急に低い声になった。


「おぬし、アルタニアとアリアルが王家の者という事を知らんのか?」


と、法皇が凄みを込めて圧力をかけてきた。ビリビリとした殺気も感じる。

いや、これは凄いな。この人、実戦も潜り抜けてきた来た感じだな。


しかし、おかげで緊張が良い感じに解けてしまった。

法皇の目を見据え、返答する。


「いいえ。承知しております。しかしながら、それを知る前に友人となりました故」


あくまでもタニアとリアは友人だと伝える。

野に下ったんだから、姫扱いをしなければならない事はないはずだ。


それにお姫様相手だったら、軽いやりとりが出来なくなってしまうし、3人娘も仲良くできなくなってしまうからな。


私の言い分を聞いた法皇はこちらを睨んだまま黙ってしまった。


空気が重くなる。

かなり気まずいのだが、どうしれば良いか分からない。


「くっ...くっくっ...くっ...はっ...は...ははは!!!」


国王の隣に立つ男...おそらくイブウェル大将軍と思われる人物がこらえきれず大声で笑う。


しかし、おかげで空気が緩和されたよ。

ありがとう大将軍。


「いやすまん兄者。兄者が言い負けるなんてあまりにも久しいのでな」

「言い負けてなどおらんわ!!」


あの~...玉座のある場所で兄弟げんかはいかがなものかと...。

ほら、近衛将軍の顔もかなり険しいですよ?


あと、国王も...って、あれ?なんとなくだけど楽しそうな顔をしている。



「すまんなリョウ。久しぶりにタニアとリアが戻って来たので、皆が少し浮かれておるようだ」


変な事を考えていたら、まだ少しだけ笑顔が張り付いている国王が私に声を掛けてきた。

この場は本来国王との謁見の場だ。


中心人物は国王陛下だもんな。


「いいえ。お気遣いありがとうございます。私の緊張を感じて一芝居打っていただいた事、大変恐縮でございます」


変な解釈だが、これで法皇の面目は保てたんじゃないか?

あくまでも私の為の演技だという事にしてしまおう。そうしよう。


それを聞いて3人の顔色が変わる。

悪い方ではないが、良い方でもないな。


「聡いな。さすがタニアの友人と言うだけある」

「ありがとうございます」


ここは無難にお礼を言っておこう。


しかし、シミュレーションからはかなり離れてしまった。

こうなったら行き当たりばったりでも対応していかなきゃな。



「イブウェル」

「は、お任せを...」


しかし、ん?選手交代って事?

まぁ、確かに質問を国王が延々とするのは変だからな。


予想通り、大将軍が質問を投げかけてきた。


「さて、おぬしに来てもらったのは他でもない。先日のコボルド・サイクロプス討伐の件で聞きたい事があったからなんだが...」

「はい。なんなりと」

「まず、コボルドが大量発生している所に、無謀にも、たった4人で向かったそうだな」


あまり無謀と言わないで欲しい。

たかがコボルドと思っていたが、本当に数の暴力だと思ったよ。


こちらに銃が無ければ、ヒットアンドアウェイで消耗戦になってたはずだ。


「まさかあそこまで多いとは思っておりませんでした。当初はせいぜい30匹程度と思っておりましたので」


うん。嘘は言ってない。


「ふむ。ではサイクロプスについては?」

「そもそも1匹だと思っておりましたもので...」


普通に2匹も出てくるとは思えないしな。


あの時は真正面から迎え撃つしか方法は無かったもんな。

次からは手榴弾で一気に仕留めてやる。


「しかし、おぬしたちはたった4人で、コボルド50匹、ボスコボルド1匹、サイクロプス2匹を真正面からの正攻法で倒した」

「タニアの魔法と、ここには居ないミームの剣技、リアの武力が上手く噛み合った結果でございます」


これも嘘は言ってない。

タニアは一瞬何か言おうとしたが、国王から視線が飛び、タニアが黙る。


「おぬしは何をしたのだ?」

「私はあくまでも補助でございます。実際に倒した魔物は多くはありません」


これも嘘ではない。

コボルドの大半はミームとタニアが仕留めたのだ。


あ、洞窟前のコボルドは私が倒したんだっけ...。忘れてた。


「だが、サイクロプスの1匹はおぬしが倒したと聞くが?」

「その前にタニアの電撃魔法を喰らっております。私1人での功績ではありません」

「その電撃魔法の威力を上げるようにしたとか?」

「それは確かに事実です。が、実質タニアの魔法が良かったからでございます」


嘘ではない。基本であるタニアの魔法の質が高かったのは事実だ。

横のタニアが少し俯いているな。ちょっと耳が赤いかも?


「洞窟前のコボルドは全ておぬしが倒したそうだな」


やっぱり言われちゃったな。

まぁ、仕方ない。


「はい。明るい日中でありましたので、飛び道具にて」

「弓矢ではない、投石器でもない。見た事もない、不思議な筒状のものだと聞いた」


さっきから気になっているんだけど、それ、どこから聞いたんだ?

そんな事はギルドで報告していないはずなんだが?


「それは我が国の武器で『銃』というものです。こちらには無いものでございます」

「東の国ではそのようなものがあるのか?」

「正確には『私の国』です」


正確には「私の世界」なのだが、言わぬが花という奴だ。


それにしても、国王に届いた報告書にはどこまでの事が記載されているんだ?...あ、トモニア村でリアが武勇伝を語っていたな。あれか?

チラリとリアを見ると、リアもこっちを見てテヘペロしやがった。


やっぱ、お前じゃねぇか!!


「なるほど。では、あの馬以上に走る乗り物と、それが牽く大きな馬車は何だ?」

「あれも私の国のものです」

「あれをこの国で作れないのか?材料は用意してやるが?」

「私の国でしか作れません」


確かにあれほどのモノを見たら手に入れたいだろうな。


しかし、ここで電龍のようなものを流通させるつもりはない。

せいぜい、タニアとリアとミームの分を用意するぐらいだな。


「材料の問題ではありません。ここでは作る事が出来ないのです」

「もし、作ろうとしたらどうなる?」

「大変もうしわけありませんが、それは我が国の、私の秘密でございます。簡単に教える事は出来ません。ご容赦ください」


これだけは曲げられないのだ。

なので、ここは毅然として対応するしかないのだ。


「失礼であるぞ!!」


近衛将軍...ではないな、あれは文官という奴?ひょっとして大臣とかかな?

上質な服を着ているおじさんが、顔を真っ赤にして怒っている。


どこにでもいるよな、こういうの。


「失礼があったのであればお詫びいたします。ですが、虚偽を申し上げる事は出来ません」

「な...なにを...」


大臣と思われる男は顔を真っ赤にしている。

バイクは軍事的にも有利になるからな。他にも流通でも有効だろうしな。


さて、どうしようかな?

と、思っていると、国王が間に入って来た。


「良い。余は事実が知りたいのだ」


この国の国王は良い国王だな。

こういう機転が利く人が国のトップであるのは良い事だろう。


タニアの国という事だけで悪い印象はなかったが、個人的にも良い印象になったな。


「国王陛下、先ほどの言葉は売り言葉に買い言葉になってしまいました。重ねてお詫び申し上げます」


あれはちょっと言い過ぎだな。

謝るべきことは謝らないと。反省反省...。


「ふっ...おぬしは本当に変わっているな」


と、大将軍に笑われてしまった。

自覚があるからどうしようもないが...。


「して、タニア。リョウの言葉に嘘はないのか?」

「ありません。ただ、彼は謙虚過ぎたようです。討伐時の彼は冒険初心者でありながら、私たちに的確に指示を出して、誰一人怪我をすることなく依頼を完了させました」


あ、タニアさ~ん...アタシ、目立ちたくないって言ったよね?


「ほう?的確な指示とな?」


ほらぁ~。大将軍の目が光っちゃったじゃないか。


「はい。特にサイクロプス2匹を同時に相手取る際には、一瞬で戦略を練り、私の魔法を極大化させる補助魔法を用いてサイクロプスに大ダメージを追わせ、自らも剣を持って攻撃をし、その一撃でサイクロプスの左足を切り飛ばしました。その時点で1匹は戦闘不能です」


おぉ!!


と、周りの人々が感嘆の声を上げる。


タニアの言ってる事は嘘ではない。嘘では無いけど勘弁して~な...。


「なるほど。リョウは魔法剣士でもあり、軍師でもある訳だな」

「はい。その魔法の才能は私を上回り、先ほどの話のように戦闘面での指示も的確。ですが、私にとってそれは些細な事です」

「ほう。それ以上のものをリョウが持っているという事か?」

「あくまでも私にとってですが、私を対等な人間として扱い、友として私を支えてくれる事です」


ちょっと、タニアさん。それ、褒めすぎです。嬉しいけど。


しかし、タニアはそう思ってくれているのね。

特に、友としての部分は本当に有難い。


こっちも色々と助けられているんだけどね。


大将軍はうんうんと頷いき、国王はニヤリと笑っている。そして法皇は難しい顔をしていた。

三者三様だな。


「リアはどうなのだ?」

「アタ...私にとってもリョウは友達です。彼は私に色んな事を教えてくれます。そのおかげで最近は色んな事が分かるようになりました」

「ほう!それはすごいな」


国王以下、全員が驚いている。

そんなに驚く事か?リアはかなり賢いんだぞ?


「はい。リョウは色んな事を丁寧に、私に考えさせながら教えてくれるのです。友であり、最高の先生でもあります」

「リアがそんな風に言うとはな...」


大将軍が小言で国王にささやき、国王が頷く。


「聞きたい事はこれで以上だ。下がって良いぞ」


切りが良かったんだろう。国王の一言で私たちは謁見の間を辞する事が出来た。



いやぁ、緊張したわ。

もう、こういうのは勘弁して欲しい。

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