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魔法を信じるかい? ― マッドサイエンティストの異世界旅行  作者: 黒々猫
■■■■■■ 第1章 異世界は光の向こう側
11/56

■■■ 【サブストーリー】輝 Step001 了と出会った日から

各章は10話(10Step)毎で区切ります。

そして、サブストーリーを2話ほど入れる構成になってます。


最初のサブストーリーは輝の独白です。

大阪編ではヒロイン全員集合しますのでお楽しみに~(とは言え、それは第3章なんですが)。


現在、第1章を順次投下している最中です。

僕は江上えがみ ひかるっていう女の子。

僕が了に初めて会ったんわ、保育園ん時やった。


引越してから、まだ友達は少なかってん。

それに、僕は女の子やのに、「ぼく」って言ってたら、男の子にめっちゃ変やって言われてて、毎日嫌やったわ。


よく覚えてへんけど、そん時は男の子が見るテレビ番組を見てたみたい。

その影響かは知らんねんけど、今でも「僕」って言ってる。


保育園は誰も遊んでくれへんかった。

女の子も面白い男の子と遊ぶんで、僕とは遊んでくれへんかった。


先生は「みんな仲良く遊ばなあかんで!」と言ってくれるけど、やんちゃな子が多かったんか知らんけど、言う事は聞かなかったんよね。



そんな時、了が保育園に来た。

中学校の勉強で「職業体験」っていうのがあって、それで保育園に来たんやって。


その日も僕は部屋の端っこに座ってた。

誰も遊んでくれへんし、了以外のお兄ちゃんお姉ちゃんは僕を見るけど声を掛けてけえへんかった。


でも、了は声を掛けてくれた。


座ってる僕の前に座り込んで、小さくなって、それでも目線が合わへんから、両手をついて屈みこんできてくれた。


「どした?子どもは遊ばへんと大きくなれへんぞ?」


と、声を掛けてくれた。

嬉しかったけど、「遊ばないと大きくなれない」なんて...そんなん知らんし、そもそも誰も遊んでくれへんねんから、しゃ~ないやん。


でも、大きくなれへんのは嫌やと思ってん。


「なんで?なんで遊ばないと大きくなれないの?」

「子どもは遊ぶのが仕事やからな」


それはパパもママも言ってた。

やけど、誰も遊んでくれへんねん。僕、友達ちゃうみたいやねん...。


「でも僕...遊ぶの怖い...」


無視されたりすると、とても嫌な気持ちになる。怖い...。


「友達が怖い?」

「うん...怖い」

「それは遊んでくれへんから?」

「うん...」


友達は怖い...一緒に遊んでくれへんもん...


「遊んでくれたら怖くない?」


遊んでくれたら?

遊んでくれたら...怖ないんやろか?


「...たぶん...」


分からへんけど、たぶん怖くない...


「よし!じゃあ、遊ぼうか!」


それを聞いた了は、僕の手を取って立ち上がらせてくれた。


「えっと、お兄ちゃんと?だったら、お医者さんごっこ!」


なんかね、あの時はね、テレビで言ってたの。みんなが楽しそうだったから、きっと楽しいんだと思ってたんや。

...あの時はね...。今思うととてもハズい...僕の黒歴史の一つや。


「え?いやあ~、お兄ちゃんはみんなと遊びたいから、みんなで鬼ごっこをしよう!」

「みんなと?」


急に怖くなった。遊ぶ?遊んでくれるの?お兄ちゃんだけで良いのに...。


「みんなと、えっと、あ、「ひかるちゃん」ね。ひかるちゃんも一緒に遊ぶんや」

「僕と、みんなと、一緒?」


急すぎてどうしたら良いか分からない。

動けなくて、ただ立っていたら、了が大声を出してみんなに言った。


「お~い、みんな!お兄ちゃんが鬼になるから、みんな逃げろ~!!」

「「「わ~!!」」」


周りで絵を描いてた子も、じゃんけんしてた子も、本を読んでた子も、みんな一斉に逃げ出した。


「ほら、ひかるちゃん!逃げな捕まえちゃうぞぉ~!!」


了は狼のように両手を上げて僕に襲い掛かるような恰好をした。


「え?え?」

「ほら!一緒に逃げんぞ!」


戸惑ってたら、知らない子が僕の手を引っ張った。

僕の事をいつも「変」っていう子が...。


「え?あ?うん!」


気が付いたらみんなと一緒に園内を逃げ回っていた。

了は1日中僕たちを追いかけまわして遊んでくれた。

結果、了は帰る頃にはボロボロになってたわ。


そして、僕はみんなと遊ぶようになった。


何て事はなかった。

僕は友達が怖いと思ってたけど、友達も僕の事を怖いと思ってたみたいやねん。


でも、一度遊んでまえば怖いのは消えるんや。


了は分かってたんかな...。



了の家が近くなんは、すぐに分かった。

学校に行くのが見えたもん。


やから、パパとママにお願いして、了の家に遊びに行った。

それからは、行ける時は了の家に遊びに行っているねん。


最初は「遊んで」やったけど、小学生の3年生ぐらいからは「勉強教えて」になった。


了の家族は「研究者」っていう仕事をしてる。

特許を沢山持ってて、それで生活をしてるんやって。

やから、了の家には色んなものがあるねん。


おじさんも、おばさんも、めっちゃ良い人で、僕が「これは何?」って聞いたら、分かるまで教えてくれるねん。



僕も了の家に良く行くねんけど、ユリさんっていう人も了の家にやってくる。


ユリさんは了の家のお隣さん。いわゆる、幼馴染って奴やね。

とっても可愛い人。


性格はのんびりなんだけど、めっちゃ気が付く人で、了が喉乾いて何かを飲もうとしたら、紅茶を出してくる。

それは了だけじゃなくて、僕や葵ちゃんにも同じ事が出来る人。


あと、めっちゃ頭が良いねん。

僕も了に色々と教えてもらってるけど、ユリさんからも教えてもらう。

ユリさんは了の事が好き過ぎて、了と同じ高校、同じ大学に行ったんやって。


あ、ユリさんは「了大好き」と公言してるので、了のおじさんとおばさんからも「了のお嫁さん候補」として公認してる。

了はめっちゃ困ってるけど、ユリさんの事は嫌ってへん。好きかどうかは分からへん。

やって、僕とユリさんの扱いがほぼ一緒なんやもん。


ユリさんは大好きやけど、絶対負けへん。



そして、今は葵ちゃんも了の家にやってくる人。


この子は僕が小学校4年生になった時、同じ小学校に入学してきた子やねん。

時々、僕は小学校に行く途中まで大学に行く了と一緒に歩くんやけど、その時に葵ちゃんに会ってん。


小学校1年生の葵ちゃんは学校に行くのが嫌やったみたいで、玄関で大泣きしてたわ。おじさんとおばさんもめっちゃ困ってた。

それを見た了が、「どしたん?」って声をかけてん。

ホンマ、「悪の科学者になる」って言ってるのに、なんでこんなんやろ?

まぁ、そこが了の了たる部分なんやけどな。


結局、葵ちゃんと一緒に小学校まで行ったんやけど、その日から僕は葵ちゃんと一緒に小学校に行く事になるんや。

葵ちゃんはめっちゃ良い子で、めっちゃ可愛いから、全然良いねんけどな。


でも、めっちゃ怖い事件が起こってん。

葵ちゃんは近所でも有名な美少女やねんけど、僕が中学2年生の時に誘拐されてもうてん。葵ちゃんは小学校5年生。


僕は葵ちゃんの家に行った。ユリさんも来てた。

犯人から電話があったんやって。やからか、警察の人がいっぱいおったわ。

おじさんとおばさんは葵ちゃんの事が心配で、何もでけへん状態やったから、僕とユリさんで色々手伝った。

何をしたんかは、もう覚えてないけどな。


そしたら、了が葵ちゃんを連れて帰ってきた。

「よくわかんないけど、道で泣いてたで?」って言ってたけど、あれ、絶対嘘や。

僕とユリさんは「嘘」なんは分かったけど、「ホント」の事は分からへん。けど、それは良いねん。


結局、犯人は見つからへんかった。

葵ちゃんの証言から、監禁された場所は分かったんやけど、人の気配が全く無かったんやって。

犯人は誰か分かって、今も指名手配されてるんやけど、まだ見つからへん。


絶対、了がなんかしたんや...。

でも、怖いから聞かれへんし、どうせ聞いても何も教えてくれへんと思う。


葵ちゃんはホンマに可愛い子。僕より年下やけど、めっちゃしっかりしてるねん。

やから、「葵ちゃんは良いお嫁さんになれるね」とみんなから言われる。了からも言われてた。僕もそう思う。


葵ちゃんも了の事が大好きやねんて。

それは一緒に小学校に行ったあの日から。


僕は葵ちゃんの事も大好きやけど、絶対負けへん。



そして、僕はこの4月から高校生になった。

今日はその入学式。

パパとママも来てくれているけど、了も来てくれた。「お兄ちゃん」枠で。


式の前に「JKやな」って、了に言われた。

意味は知ってるけど、何も面白ろない。

やから「ジョブキックって、どのジョブをキックすんの?」って聞いてやった。

そしたら了は目を丸くしてた。


僕の勝ちや。



入学式が終わったら、今日も了の家に遊びに行くねん。

今日は何を教えてもらおうかな~。

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