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魔法を信じるかい? ― マッドサイエンティストの異世界旅行  作者: 黒々猫
■■■■■■ 第1章 異世界は光の向こう側
12/55

■■■ 【サブストーリー】スバン Step001 了と出会った日から

各章は10話(10Step)毎で区切ります。

そして、サブストーリーを2話ほど入れる構成になってます。


2つ目のサブストーリーはスバン君の独白です

彼はどうなって行くんでしょうね...作者としても心配です...


次回はちょっと予定できていませんが、近々UPします。

我がハルル男爵家は3年前にタニアの隣に引っ越ししてきた。

俺はその時、タニアに一目惚れした。


そして誓った。

気高く、優しく、凛とした、完璧な、タニアに見合った俺になった暁には、タニアを嫁として迎えると。


タニアは可愛い。

みんな、タニアは恐ろしいと言うが、俺には可愛いとした言えない。


もちろん、「紫紺の魔女」の謂れは知っている。

が、俺にはどうしても結びついてこないんだ



今日は珍しくタニアが外出したと噂で聞いた。

たまたま我が家の使用人が見たというんだが、驚いた事に男を同伴させていたと言うのだ。


そんな事はないはずだろう。


と思っていたが、実際にタニアと男が一緒に歩いているのを見てしまった。

誰だ?あの男は?


呆然としていたら、タニアと2人で屋敷に消えていった。

かなり親しげに。


嘘だろう...?



屋敷に戻り「どういう事だ?」と考えていたが、まとまらない。

当然だよな。何も知らないんだから。


だから、タニアに会って聞こうと思ったんだ。


奴の名前は「リョウ」。遥か東の国の貴族の三男坊で、ここまで流れてきたらしい。

今日、タニアと会ってすぐに友人となったそうだ。


羨ましい。


タニアの友人だったら、俺にも紹介してくれと言って、今夜の晩餐会に参加させてもらう事にした。


リョウという男の素性を確認しなければならない。



晩餐会でリョウという男を見た。

なんだ?こいつは...


「完璧」じゃないか!


見た目は変わった格好をしているが、均整のとれた肉体がわかる。

その目には知性が垣間見える。

なによりも、話す言葉は丁寧で落ち着いている。


年齢は俺よりも上なんだろうが、極端に離れている訳ではなさそうだ。


俺の目指すものが目の前にある。

でも、これを認めたら俺は敗北する...。


そして、タニアは嬉しそうな顔をしている。

今まで何度も会っているが、このような顔のタニアを見た事がない。


俺は負けるわけにはいかない。


その想いが強かったのだろうな。


俺はリョウと対等な立場になるつもりだったんだ。

だが、口から出たのは「蔑み」...。


すぐに止めれば良かったんだが、どうしても止められない。


そしてタニアを怒らせた。


そんなリョウは俺を庇ってくれた。

さすが、俺の目指す高みだ。


タニアから注意された。その目はいつものタニアではなく、鋭く突き刺すような視線。

俺はぞくりとした。そして顔が熱を帯びる。

くやしい...ではない感情が胸に広がる


...なんだ?これは?



悩んでいる所に、リアが俺の急所に一撃を加えてきた。

言葉という凶器で、俺の胸を一刺ししたのだ。


思考の沼から一気に戻ってくる。

これはマズい!俺は男だ。自分の気持ちを偽るつもりはないが、まだその段階ではない。


緊張で顔が一気に赤らむのを感じた。


そこに、リョウが追い打ちをかけてきた。

あれは...俺の気持ちを、タニアに対する気持ちに気が付いている!?


リアと目くばせをしている。どうやら、俺は絶体絶命の状態になったって事?


緊張が一気に敗北感に変わった。


その後、リアとリョウの波状攻撃で、俺は食事もそこそこに撤退を強いられた。


タニアの困惑した顔に見送られて...。



気が付けば俺は自分の部屋にいた。

どうやって入ったか覚えていない。

かなり慌てて入ったので、屋敷の連中は驚いているだろうが、今は気にしてはいられない。



どうしよう。

これは大失態だ。

だが、なぜか安堵している俺がいる。


何に安堵しているんだ?


わからない...。


そもそも、タニアのあの鋭い目。

あれは、本当に怒っている目だ。


タニアは基本優しい女だ。

タニアの屋敷の使用人からも、「タニアお嬢様はお優しい」と聞いた事があるし、実際、俺もそう感じる。


そのタニアが俺を抉るように睨んできたのだ。

正直、肝が冷えたんだ。それは間違いない。


だが...あの鋭い目を思い出すと顔が熱くなるんだ?

薄く笑った顔が美しいと思っていたのに、睨んだ顔がそれを塗りつぶす。


俺はなぜ、タニアの鋭い目を見て心地よいと思ったのだろうか?



分からない...。


もう、考えるのはよそう。

きっと、答えは出ないだろう。


いや、一度お父様に聞いてみよう。

お父様は色んな文献に目を通しており、かなり物知りだ。


よし。行動が決まったので落ち着いてきた。

かなり早い時間だが、今日はこれで眠るとしよう。

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