孫娘とおばあちゃん 2
だがしかし、祖母が不老不死なら問題はないが、このまま永遠に社長の椅子に座り続けるわけにもいかない。快適な隠居生活を送るため、祖母は跡取りを社員の中から吟味した。社内を見回り鋭い眼光で人の形を見定め、何人か選出はしたがどうにも勘が働かない。そんなとき、悩みながら書類を整理していた祖母のところにやって来たのが、小学校一年生の孫娘であるあたし、蜂蜜だ。父に連れられ、社会科見学という名目で祖母に会いに来たのだ。学校の宿題で、働く家族というテーマで絵を描かなければならなかったため、あたしの中で一番働いていると感じたのが祖母だったからだ。祖母はあたしを可愛がってくれていたが、あまり興味はなさそうだった。今は跡取りのことで頭がいっぱいで、仕事もあるしあたしに気を回す余裕はなかった。社長室のソファに座らされ、お菓子とジュースを用意してくれたが、あとは好きにしなさい、と放置された。父も仕事があるからと、あたしを社長室に預けてどこかへ消えてしまった。あたしは祖母が社長の椅子に座り悩んでいる姿をクレヨンで適当に描くと、鞄の中から算数の教科書を出してノートに計算していく。絵心よりも、数字の羅列が好きだった。足して引いての繰り返し。無心で次から次へと計算していると、いつの間にか祖母が隣に座っていて驚いた。祖母はあたしの計算したノートを見て、驚きで止まってしまったあたしの手を催促するように「気にしないで続けなさい」と言ったので、戸惑いながらもまた数字の羅列を作っていった。しばらくそれを見ていた祖母が、ぽつりと呟いたのを覚えている。
「この子がいいか」と。




