生鮮なる聖戦の前に。
「ぅにゅん♡おきたぁ~。ゆぅ……と、どぉこ?」
まだ寝ぼけた頭で優斗を探す。てか、何握ってた?手の中に昨日のシャワーと似た感触が残っていた。
「おう。おれも起きた。ナニ握ってるかわかってるのか?」
「ぜんぜん♡」とわざとらしく私が返すと優斗が、「そうか。なら、握ってたとこ見るか?」とイタズラ返しされた。
「えっと………おなか…すいたぁ」とまだ寝ぼけてる私に「よし、腹満たすか」とヤル気まんまんな優斗がいた。
「まっ……て…。まだ、あてゃま、はたらいてない、かりゃー」
「そうか。昨日風呂入った時覚えてるだろ?俺が誰かさんのシャンプーしてる時にナニかを握ったまま寝落ちしたんだよなぁ?……輝奈子、今日こそ覚悟してもらうぞ」
優斗の言葉で思い出してしまった。思い切りやる気にさせて、髪を洗わせ、あまりにも安心して全裸で寝落ちしたことを。しかも、その後、握ってたことも。
「えっと……私ずっと握ってたの?」
「体洗う時に放させたけど、夜中ぐらいに握ったんじゃないか?」
そうかも知れない。安心する体温見つけてしまったから。
「あと、また回ってるぞ。軽いからいいけど、いつまで握って、いつまで俺のうえにいるんだ?」
「あっ……ごめん!!本当にごめん」と私が謝ると、優斗は「この責任は取ってもらうからな」と不敵な笑みを浮かべていた。
朝ご飯は優斗が作ってくれた。本当は何かしようと思ってたのに、何もさせてくれなかった。というより、「寛いでろ。今日は"運動"するからな」と一線超える予告をされた。
優斗ってこんな人だっけ?でも、私がヤル気にさせたんだもんね。魅力的だったんだなぁ、私の体。
目玉焼きがめちゃくちゃ美味しかった。
優斗って、お料理できるし、洗濯下手くそだけどできるし、掃除は……まぁ……頑張れ…って感じだけど、優しいし、その……ソコがかっこいいし、クマみたいな毛深さと、ハリウッド童貞感が良いんだよね。
ご飯食べて、ゆったりしてると優斗に「シたいけど、いいか?割と限界」と物凄く童貞感強い質問が来た。こういうところが可愛い。
「魂を結びつけて、ほどけない。信念の剣を我が祠に納める覚悟ができたってことか?ならば、よし。いざ、生鮮なる聖戦を始めようではないか」
「輝奈子、そのセリフだいぶ痛いぞ。ところでどこでするつもりだ?掃除するのは俺だろ?」とまるでいつもの事みたいな感じで言われてしまった。
「風呂場が良いとは思うのよ。でも、高さがねぇ。高さ的にトイレが1番やりやすいけど、狭いもんね」
「オッケー。ホテル行くぞ。金あるならだけど」
「私は大丈夫だけど、せっかくならお家がいい」とわがままを言うと、「わかった。風呂場にしよう。痛かったら言えよ。腰悪いんだろ?」と相変わらず優しい。
「腰は大丈夫だと思う。肩が辛いかも」
「そうか。風呂の手すり掃除するからちょっと待ってろ」と優斗はメラミンスポンジを持って、掃除を始めた。
私は、どうしたらいいんだろう。とりあえず、できること聞こう。
「何したらいい?防音とか?」
「無理だな。設備がない。ゆっくりしてろ」と相変わらず、1人でしてる。私って要らない子なのかな?
寝転がる私に優斗が、「できる。やるか?」と聞いてくる。
私は無言でコクンと頷く。
熱い朝の始まりだ。




