風呂!言い訳と1線
私達の家に着いた、その瞬間優斗は私を抱き上げた。
「えっ?何?」と私が驚くと、「ごめん。可愛すぎた。風呂行くだろ?」と童貞特有であろう、昂りが隠せていない。
下手くそすぎるだろ。そう思うのに、何故か胸がキュン♡とうるさいくらいに鳴いていた。
待ってよ。そんなつもり……まだ……いや、あるんだけど!!どうしよう。なんかいい場所探さないと。
「えっと……いくよ♡お洋服脱がないと」
私は、そう言いながら脱ごうとするけれど、雨で濡れた服は重くて、脱ぎにくい。あと、張り付くな!ブラ。どうしよう。邪魔だなぁ。
「早!!お前、脱ぐの早いだろ。待て、先シャワー出しとくからな。あと、風呂も後で沸かすか?寒いだろ?」
優斗はオドオドしてるようで何故か気が利く。あと、性欲あるのか?コイツ。すぐそばには、びしょ濡れでところどころ透け始めた私がいるんだぞ?
そう言えば、女に変わった初日もコイツはこんな感じだったな。服を着てない、全裸の私だったはずなのに、見ないようにして。
「服を着ろ」と促していたよな。そんな優斗が何だか気に入らなくて、優斗に密着する。
「どうした?寒いのか?」
コイツ何なんだよ。私、そんなに……何も……してない…よね?
「えっと………。脱げ……ない。…貼り付いてる。あと、優斗も脱いでよ……。はず…か…し…い」
何だか声が小さくなってしまったし、くっついてしまう。寒いし。
「そうか。ちなみに、この前、寝てる間に俺の腕抱き締めてたの、覚えてるか?」とイタズラっぽい笑顔を浮かべる優斗に、こう返す。
「………ばか。………違うもん。……寒…かったし、ほら、……あれ……だよ、ほら…………。アレ!!!」
思い出したくなかった。あれは墓に駆け出す前のこと、私が目覚めると、なぜか優斗の腕を抱き締めていた。恥ずかし過ぎて駆け出したのもある。
言葉が出なくなった私を不思議に思ったのか、優斗が「アレって何だよ。あと、脱げないんだろ?ほら、貸してみろ」となんかカッコいいことしてるけど、全裸だからな、お前。
銭湯で見た時と同じ太くて平均的だけど、どことなく存在感がある、剣と璧が優斗の毛深い体にあっていて……かっこいい。
俺の方がデカかったけどな。絶対。とうとう食べられてしまうのかぁ。そう思うのに、不思議と怖くない。でも、居心地の悪い気分の高揚が頬を紅葉させる。
居心地悪すぎだろ。今までで1番居心地の悪い家だと思う。沈黙が刺さるし、優斗の手が触れるたびに変な感じがする。
お風呂だよ……な。風呂だ。どうしよう。コイツには世話になった。いわゆる女の子特有の日、童貞のくせに世話をしてくれた。私より詳しいかも。
「ほら、脱げただろ。風呂入るぞ」と私の手を引きながら、思い切り目を逸らす優斗。私の体……そんなに魅力ないのかな?
「ゆぅ……と、…………その……見て……いい……よ。あと、洗って、欲しい……な。眠たい……から」
ほんとは眠たくなんてない。でも、眠気を言い訳にしてしまった。だって、触ってほしいもん。触れてたいんだもん。
私はシャンプーを手に取っていた。見えないから仕方ないよね作戦だ。髪を洗おうとすると、優斗に「それもいいかもしれんが、髪、こう洗った方がいいぞ」と私を座らせ、下手くそながらも、私の髪を洗ってくれている。
「お前の髪、重いな。首疲れるだろ?」と話しかけてきたから、「ぅん。そう……。ありがと……」と返す。
気持ちいい。本当に眠くなりそう。体、洗わないといけないのに。
シャワーってどこかな?
手をふわふわさせるとよく似た形状のものがあった。これだよな。
クルクル、くるくる。
重くなる、シャワー……?……へんなの……。
「ちょ、どこ、掴んで。違うぞ。シャワーそれじゃない」
なんで、優斗焦ってるの?わかんない……。任せちゃおう。
おやすみ………。あったかーい。ぽかぽかぁ………。




