252話 最後の仕上げ
パッターカパラを量産し終わった俺たちに残されたのはこれを各国に届けることだけになった。俺は魔神教団との戦いが始まりそうになっている雰囲気を感じ取りついに始まってしまうのかと億劫になった。できることなら戦わずに話し合いで済めばいいが、魔神教団がやってきたことを考えればそれは無理なことだ。リベル宛に送ってきた手紙やエクサフォン国で王都の人を誘拐したこと、リヴとクルネの村の人たちを亡き者にしたことなど俺たちが知らない犠牲者も多いだろう。そんな奴らだから話し合いは無理だと決めつけている。たとえ話し合いができたとしても、意見の食い違いや価値観の違いでまともに進まないだろう。俺がそんなことを考えているとリベルが言った。
「リフォン、各国にパッターカパラ持って行くついでに各国に悪魔の国に集まるように伝えてきてほしい。もう決戦の日は近いからね」
何気なく言うリベルの口調や表情に恐怖心などの負の感情は感じ取れなかった。俺は魔神教団と戦うことに恐怖心を感じているのに、リベルや他のみんなはいつも通りだった。俺の心根は今でもこの世界に馴染めていないようだ。俺はカサムラーに各国に伝えるべきことはないか確認することにした。
「カサムラー、もうパッターカパラ届けに行くけどここに集まること以外で伝えることはないか?」
「特にないが、道中で疲弊されると困るからヒューやイシュ、我ら悪魔たちが外界の魔物討伐をする。不用意に警戒する必要はないことを伝えてくれ」
「分かった」
俺は他に誰か話を聞いておいた方が良い人はいないかなと見渡した。あんまりピンとくる人がいなかったので、各国の指揮官にパッターカパラのことなどを伝えることにした。
「指揮官さん方来てください」
俺は個々で伝えるのは面倒だし、質問に答えるのも非効率だと考えて一気にすることにした。指揮官全員が集まったのを確認して話し始めた。
「俺は今からパッターカパラを各国に届けに行きます。それと同時にここに集まってもらうように指示を出します。それで、各国の部隊にここに来るまでに疲弊されてはいけないので、外界の魔物討伐をします。これはカサムラーから聞いた話ですので詳しいことはカサムラーに聞いてください。それ以外で、各国に行く時に指示を出すために、皆さんの承諾書と言いますか指示書みたいな物を頂けたらなと思いまして。その紙を誰かに差し出したらここに来ることを従ってくれる感じの物を書いてくれませんか?」
俺は面倒なことにならないようにと文書を書いてもらうことにした。指揮官は快諾してくれしばらく待つことになった。すると、悪魔の国に到着するのはいつになるように出発するのは明記した方が良いと言われ俺はカサムラーに確認した。
「カサムラー、ここにはいつ到着するように指示するんだ?」
「かなり遠い国もあるから一週間以内であればいつでも問題ない。外界の魔物討伐はこちらでやるからなるべく早く来れるようにしてくれ。こちらもサポートは全力でする」
「分かった」
俺は指揮官たちにそのことをそのまま伝えた。しばらくすると指揮官たちは文書を書き終えた。指揮官からこれを見せれば国王に会えることを伝えられ、指示を出すのは簡単だと確信した。俺はその文書を受け取り、パッターカパラを入れておいたファンタジーリュックにその文書も入れ各国に指示を出しに向かった。まずは一番近くにある魔族の国から向かった。魔族の国は国王を持たない共和政だけど支持出せるかなと少し不安だったが、十桀の言うことなら聞くだろうと信じることにした。冒険者ギルドにつくと、前来た時に俺のことを知ってくれた人や受付のおばちゃんたちがもてなしてくれた。でも、今回は用件が用件なためテンションは上がらないように気をつけた。そして、俺は冒険者たちに指示を出した。
「聞いてくれ! 皆、魔神が復活するということは聞いていると思う。そして、魔神に対抗する準備が整った。これは十桀のマザブートが書いた文書だ。俺たちと共に戦ってくれる者はこの文書に目を通して行動してくれ」
俺はそれを伝えてパッターカパラの説明をして十桀に渡した。そして、エクサフォン国にテレポートをした。流石にエクサフォン城に直接テレポートするのは失礼だと思い城の前にテレポートした。門番に文書を見せて国王に謁見することが叶った。国王に文書を渡し部隊に指示を出してもらうことになった。俺は次にジャドゥー帝国に向かった。ジャドゥー帝国もエクサフォン国と同様に帝王に指示を出してもらった。アイベンティーリも同様に指示を出してもらった。国王にパッターカパラの説明も済ませきちんと渡してきた。俺がやることはもうなくなり、後は外界の魔物討伐を残すだけとなった。一仕事終えた俺は疲労回復と魔力回復を兼ねた休憩をした。
次回もお楽しみに




