251話 パッターカパラの活用法
パッターカパラを持ち帰った翌日、俺たちはパッターカパラについて話し合いをすることにした。各国の指揮官たちにも同席してもらいより多くの意見を出してもらえるように心がけた。
「それではまず、パッターカパラの性質などについて知ってもらうためにサンプルを用意しました。今俺が考えている活用法としては、外套にして身を守るのに使ったりという防御面を考えてる。でも、もっといろんな使い方があるだろうから遠慮なく発言してくれ」
俺がそう言ってもしばらくは活用法の案は出なかった。そんな時、ジャドゥー帝国軍のサージェントが案を出した。
「これを防具や盾に貼り付けるのはどうだろう?」
魔法使いの俺や盾を使わないユディでは出ない案に俺は感心した。俺は早速実行に移そうと思ったが、問題点があることに気がついた。
「それってどうやって固定するんだ?」
俺の言葉にサージェントは待ってましたと言わんばかりの顔をして答えた。
「いくつか方法はあります。盾の素材や形は各国で異なるため絶対的な正解はないですが、帝国軍の盾は鉄製であるため、盾とパッターカパラを固定するために小さく何箇所を熱して溶かしパッターカパラを埋め込ませるという感じを取ろうと思います。もし盾に直接組み込めるような構造をしているのであればそのようにしても良いかと思います」
「確かにそれならパッターカパラの性能を十分に引き出せる」
「ちょうど私たちファラブは大盾を用いていますので実験してみましょうか?」
ファリスの提案に俺たちは賛成し早速実行することにした。まず盾にどうやってパッターカパラを貼り付けるか話し合った。ファラブの大盾は鉄製であり、サージェントの考えを用いて複数箇所を大盾に埋め込ませることも可能だが、それではその複数箇所が破れてしまった場合パッターカパラは意味をなさなくなるので代替案を考えた。その結果、パッターカパラを大盾より少し大きめに加工し、大盾の外周を熱で溶かしパッターカパラを埋め込ませる方式にすることにした。コストは少しかかるが、これなら一部が破れてもある程度は持ち堪えれて長期間使える。それに、火魔法さえ使えれば手間はかからないので各国の盾の大きさに合わせて加工するだけで良い。
早速パッターカパラを埋め込ませた盾と普通の盾を比べることにした。まずは耐刃性能を比べてみることにした。普通にファラブの人たちに訓練と同じように使ってもらい使い勝手に変化はないかも調べることにした。その結果、パッターカパラを埋め込ませた盾は普通の盾より圧倒的に損傷が少ない。でも、パッターカパラが剣を弾くような感覚がありいつもと少し違う感覚らしい。使い勝手に変化はないが、違和感は少しあるそうだ。その違和感には慣れてもらうしかないためどうしようもできないか、パッターカパラの耐刃性能は十分だ。次は耐魔法性能だ。流石に盾を構えてもらって魔法を受けさせるのは酷なため、俺の見えざる手を使って盾を支えた。イシュに一通り魔法を撃ってもらったが、目立った損傷はなかったため耐魔法性能の十分だ。
「盾にパッターカパラを貼り付ける案は採用。他の案はない?」
俺が皆に問うと、ルリが言った。
「リフォンが言ってた外套にするって具体的にどんな感じなの?」
俺はルリの質問をみんなに向かって答えた。
「例えばだけど、俺とリベルが通ってた学園の制服には光魔法で防御されてたりしたからそれと似たような感じにできないかって。でも、今から全員の服を作るのは無理だから……大きな一枚布にして広範囲魔法からみんなを守るために使ったりとか」
俺はなんとか有用そうな案を捻り出しみんなに伝えた。するとみんな口々に良い反応を見せてくれた。それなら犠牲も最小限に出来るし、部隊最大の壊滅要因を減らせることができるかも知れないと肯定的だった。そこから俺たちは最適なパッターカパラの厚さを調べることにした。盾に貼り付ける厚さと広範囲魔法から守るための厚さは違って当然だ。試しにペラペラな物を選んで魔法を撃ってみたが、それでは余裕で貫通してしまい守ることはできない。次はタオルほどの厚さで試してみた。これだとかなりの威力の魔法にも耐えることが出来るためこの厚さで良いんじゃないかと思った。でも、よく考えてみれば部隊を守れるサイズで厚さがあるとかなりの荷物になるだろうし、パッターカパラの嵩張らないという利点が消えてしまう。そこから何度も試した結果、薄いパッターカパラを何層にも重ねることで軽く嵩張らないのに耐久度は高いという完璧な物ができた。
後はこれを量産するだけとなった。でも、量産するのはかなり重労働なためファラブの人たちや悪魔の国の悪魔たちも含めて手分けして作業することになった。作業している間暇だったが、みんなと話したりしてなんとか暇を紛らわせた。苦労して量産したパッターカパラは十分に性能を発揮してくれるだろう。着々と準備が進み魔神教団と戦う日も近づいてきた。
次回もお楽しみに




