246話 魔神教団の現状
俺が目を覚ますとリヴとクルネはおらず、リンとクフォンが俺に抱きついて寝ていた。朝日が昇ってきておりとても良い目覚めだった。俺はリンとクフォンを起こすのは忍びなく二人が自然に起きるのを待つことにした。二人の可愛い寝顔を見ていると、次第に朝日が二人にも当たりもうそろそろ起きそうだった。俺は二人の頭を撫でてあげると二人は心地良さそうにしながら大きなあくびをした。
「おはよ……」
「おはよー……」
二人はまだ眠たそうに瞼を擦って言った。
「おはよ」
二人はまだ眠たそうにしていたが、もう朝食の時間になるだろうから、二人を抱き抱え屋敷の中に戻ることにした。顔を洗いダイニングに行くと、もうみんな起きており後は俺たちだけだった。リンとクフォンを椅子に座るように促し、俺も椅子に座った。今日はリヴとクルネが朝食を作ってくれており、ユディは本を読んで待っていた。俺がリヴとクルネを手伝いに行こうと厨房に行こうとした時、ユディに止められた。
「今日は手伝いはいらないらしい。昨日の疲れが残っているだろうからって」
「そうか。ならお言葉に甘えよう」
心の内ではそんなに気遣ってもらわなくても別にいいんだけどと思ったが、二人がそう言うのならそれに甘えさせてもらうことにした。少しするとリヴとクルネが朝食を運んできてくれた。パンにポーチドエッグ、ベーコンに手頃なサラダと朝食らしい朝食に俺はコーヒーを淹れることにした。他にコーヒーを飲みたい人がいるのではと思いみんなに聞いた。コーヒーを飲みたい人の分だけ用意してみんなに持って行った。風魔法を使ってコーヒーをみんなに配膳した。朝食を食べている間に昨日のリンとクフォンの話をすると、みんなが二人を褒めてくれ二人はとても嬉しそうにしていた。褒められているのは二人なのに俺まで嬉しくなった。朝はそのまま良い雰囲気のまま終わりを告げた。
昼前、自室でゴロゴロしているとルナ、イシュ、カサムラーが訪れてきた。俺はすぐに何かあったのではないかと思いスイッチが入った。
「ど、どうかしたのか?」
俺が三人に問うと三人は真剣な面持ちでソファに腰掛けた。俺は三人からどんな衝撃的なことが聞かされるのかと思い覚悟を決めた。すると、ルナが口を開いた。
「魔神教団が活動を再開しました」
俺はその言葉に複雑な感情が湧き上がってきた。いつ魔神を復活させられてもおかしくない状況に対する恐怖心。その魔神に勝てるのかという不安。など一気に心拍数が上昇する内容に俺は押しつぶされそうになった。でも、俺は自分を信じれるように暗示をかけた。俺なら出来ると何度も心の中で自分に言い聞かせるようにした。
「そ、それで現状は?」
「まだそれほど詳しいことは分かっていません。ですので、我らで偵察に向かおうと思います」
イシュとカサムラーを見ると二人とも覚悟は決まっているようで、俺はどうしようか悩んだ。俺が偵察について行けば安全に行って帰って来られるだろうが、俺は以前結構なことをしでかしたので魔力感知に長けている者であれば見抜かれてしまう。だからと言って、三人をおう分かったと言って送り出すこともできない。三人のことは信用しているが、用心するのに越したことはない。俺がどうしようかと悩んでいるとカサムラーが言った。
「我らは偵察に行くだけだ。攻撃しに行くわけじゃない。安心してくれ危険な目には遭わないようにする」
「わ、分かった……でも、今日中に帰ってくること。魔神教団もそんなにすぐには行動には移さないだろうから、最低限でいいから」
三人は俺の忠告を受け止め魔神教団本拠地に偵察に行った。本拠地の場所はリベルたちにも共有していたので行けるだろうが、そこからのことが心配だった。その日は三人のことが心配で何事にも手がつかず、ただ無事に帰って来られることを祈っていた。夕食を食べても三人のことが頭から離れず何の味も分からなかった。今日中に帰って来いと言ったのに三人はまだ帰って来ず、俺は何かあったのかとソワソワしていたらリベルが話しかけてきた。
「大丈夫だって、三人の実力は知ってるでしょ? ちゃんと帰って来るから」
「て、でも……」
俺が三人のことを心配していると、屋敷の玄関が開く音がした。俺は三人だと思い玄関に向かった。
「ただいま戻りました」
「ただいまー」
「ただいま」
そこには何の変化もない三人がいた。俺は大きく安堵のため息をついた。三人が無事に帰ってきたのだから後は三人の報告を聞くだけだ。リヴとクルネ、リンとクフォンを除いてみんなを集め三人の報告を聞いた。きちんと各国の指揮官も呼んで情報共有しておいた。
「まずは我から。我は本拠点全体を見ておりました。ヒューが壊滅的にした魔神教団本拠地は見事なことに再建されていました。そして、本拠地全体に魔法が貼られておりました。おそらく防護目的と侵入者対策だと思われます」
ルナの報告が終わり次はイシュだ。
「私は本拠地の周囲に何か不審な物や人物はいないかを捜索していた。これと言って目立った物はなかったが、魔神教団と思しき人物たちが魔法の練習をしているのを見つけた。中には魔神教団に肩入れしている人間もいた。リフォンとヒューが魔神教団に潜入したように、魔神教団は人間であっても自陣に引き入れ戦力を増強しているようだ」
最後はカサムラーになった。
「我はどうにかして中に入れないか試したが、ダメだった。おそらく、魔神教団内にいる人間の風魔法だと思われる。リフォンほどの風魔法の使い手だと感じた。したがって、本拠地に侵入することは容易ではなくなった。内情を知ることはもうほとんど無理だろう」
俺はその言葉にまた少女の姿をしたら行けるのではないかと思ったが、俺の直感がやめておいた方がいいと言っているのでやめておいた。報告を聞き終えた俺たちは今後のことについて少しだけ話し合った。でも、夜も遅いからと本格的な話し合いは翌日することになった。
次回もお楽しみに




