245話 教育
悪魔たちと契約を終えたカサムラーと俺たちは疲労困憊で集会所のソファで眠ってしまっていた。目を覚ますと辺りは夕暮れで、もうじき夕食の時間といった時間帯だった。俺たちももうそろそろ屋敷に戻らないとリヴたちが心配するなと思い、みんなを起こした。みんな疲れからかまだ眠っていたい様子だったので、俺は仕方ないなと思いみんなをソファから下ろしてテレポートを行った。この人数をテレポートさせる魔力消費量はバカにはならなかったが、特に問題ないだろうと思いやった。ダイニングにテレポートすると、良い匂いがしていた。テーブルの上を見ると夕食が並べられており俺はみんなを起こした。
「みんな起きて、晩御飯食べるよ!」
俺の言葉にみんな大きなあくびをして立ち上がった。そして、鼻をすんすんと鳴らし良い匂いを嗅ぎ取った。みんな席に着きリヴとクルネを待っていると、二人と共にリンとクフォンが厨房の方から現れた。俺はリンとクフォンがお手伝いでもしたのだろうかと思い子どもの成長は早いなと思っていると、リヴとクルネがメインディッシュのステーキを持ってきてくれた。
「今日はリンとクフォンがお手伝いしてくれたんだよ」
リヴの言葉に俺はリンとクフォンを褒めることにした。
「偉いぞ二人とも」
俺は二人の頭を撫でると二人は嬉しそうにえへへと笑った。子どもってどうしてこんなにも可愛らしいのだろうかと思っていると、みんな席に着き夕食を食べる準備が整った。今日はカサムラーの演説を労うためにリヴとクルネたちが頑張ってくれたのだと思った。カサムラーも何となく理解したのかリヴとクルネたちに感謝を述べた。もちろんリンとクフォンにもだ。みんなで楽しく雑談をしながら夕食を食べ終えまったりしていると、リンとクフォンが俺の元にやってきた。二人は俺に抱きついてきたので俺はギュッと抱き返した。二人は満足したのか満面の笑みでダイニングを駆け回った。子どもは元気が有り余っていると思い、俺はちょうど良いと思い二人に魔法を教えることにした。
「リン、クフォンおいで」
駆け回っている二人を呼ぶと、二人は一瞬疑問に思い立ち止まりすぐに俺の元に駆け寄ってきた。
「「何ー?」」
「やること終わって時間があるから二人に魔法を教えようと思うんだけど、教えて欲しい?」
「「うん!」」
「よし! じゃあ外行こっか」
俺が二人を連れて屋敷の外に行こうとした時、リヴとクルネもついてきた。俺はどうしたのかと思ったが、子どもの成長は見たいのが普通だと思い二人もそうなのだろうと思うことにした。屋敷の表に出ると、ファラブの人たちが酒盛りをしていた。俺たちが演説でいない間も訓練をしていたであろうし、特に何も言わず屋敷の裏手に回った。
「それじゃあ二人はどんな魔法を使えるかなー?」
「私は火と水!」
「僕も火と水!」
「よし、それじゃあパパに魔法を見せて欲しいなー」
「私からやる!」
そう言うリンは両手を前に出しそこにハンドボールほどの大きさの火の玉を出現させた。俺の遺伝子が入っていて、獣人の成長スピードを加味して五、六歳(本当は一歳)でこのレベルの魔法が使えるのに驚いた。
「凄いぞリン! 流石パパの子だ」
俺がリンを褒めるとリンは嬉しそうにした。それを見たクフォンが言った。
「僕もやるから見てて!」
「そんなに急がなくても見てるからゆっくりやりな」
俺はクフォンを落ち着かせてゆっくりやらせた。クフォンは深呼吸をしてから右手を前に突き出した。手のひらサイズの火の玉を作り出した。俺はクフォンを褒めようとした時、クフォンが左手も突き出した。俺はすぐに口を瞑った。クフォンは集中して左手に水魔法を出現させた。そして、クフォンは右手の火魔法と左手の水魔法を融合させようとした。でも、その試みは失敗に終わった。クフォンは泣きそうになったが、俺はすかさずフォローに入った。
「十分凄いぞ。融合魔法なんてママでも出来ないんだからクフォンが失敗して落ち込まなくても大丈夫だぞ。それに、まだまだ成長段階だからこれからどんどん上手にできるようになるから」
「うん。練習しとくからできるようになったら見てね」
「もちろんだ」
「私は……?」
俺がクフォンを構いすぎたせいでリンが不安そうな顔で俺の服の裾を摘みながら言った。
「もちろんリンも凄いよ。リンもクフォンと一緒に融合魔法の練習して、パパに二人の成長を見せて欲しいな」
「うん! 頑張るからちゃんと見てね」
二人は融合魔法の練習を始めた。俺は何とか二人を平等に扱うことができ、一安心した。俺が風魔法でベンチを作ると、リヴとクルネが両サイドに座ってきた。二人のモフモフな毛が心地良く俺は眠たくなってきた。夕食を食べて二人の体温とモフモフに包まれて眠るのに適した条件が整ってしまったのだ。でも、リンとクフォンの練習を見ていなければならず、頑張って起きていた。リヴとクルネが何か話しかけてくれていたが、眠すぎてまともに聞き取れず今にも寝そうになってしまった。
「パパ眠い?」
リンの問いかけに俺はパッと体を起こし答えた。
「ね、眠くないよ」
「……私眠くなってきちゃったからパパのお膝の上で寝ちゃうね」
あからさまな嘘にリンは気づいており、リンは俺の膝の上に乗りわざとらしく言った。リンの行動を見たクフォンがずるいと言って俺の膝の上に乗ってきた。俺は二人の体温とモフモフな毛にさらに眠たくなった。
「寝ちゃえば?」
リヴがそう言ってくれ俺はもう寝てしまおうと目を瞑った。薄れ行く意識の中でリヴとクルネがお疲れ様と言いながらおでこにキスをしてくれたのだけは感じ取れた。そして、俺は四人の体温とモフモフな毛に癒されながら眠りについた。
次回もお楽しみに




