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本日2話更新 こちらは1話目
「だから一緒に連れだって歩いてもおかしくないのよ」
そんなレオニーに言葉に周りはしんとなった。
「レオニー嬢は……妹、では……、婚約者候補というのは」
呆然と呟いたボニファーツィオの言葉に返事をしたのはバルトレオだった。
「リネだよ。僕はリネと出会ってからずっとリオネット・トロヴェージ侯爵令嬢としか婚約したくないと両親に告げていたからね」
「そ、それは、略奪ではないか!?」
その声の大きさにリオネットは額に手を置いた。頭痛がするようだ……
「違いますわ、レオと婚約するためにドメニコーニ伯爵令息様と婚約解消した、のではなく……婚約解消したので以前より申し込みのあったレオとの婚約が整ったのです。順番が違います」
リオネットの言葉にボニファーツィオは酷く傷ついた表情を見せた。
今更どうしたというのか……リオネットには分からなかった。
「リオネット、俺は……」
ボニファーツィオの言葉を遮る。
「トロヴェージ侯爵令嬢とお呼びください。もう名で呼び合う仲ではございませんわ。……もとより私も、『貴方も』、『婚約に乗り気ではございませんでした』でしょう?」
「……っ!?ちが、違う!!俺は」
ボニファーツィオの慌てる姿をリオネットは違う意味で捉えた。
「たしかにドメニコーニ伯爵令息様は婚姻が必要なのでしょうと思っておりましたわ」
その言葉にボニファーツィオが顔を上げて歪んだ顔に微かな笑みが戻った。しかし、リオネットにはそんな様子のボニファーツィオの気持ちはわからなかった。だから言葉を続けた。
「ですが…それは私以外とお願い致します。申し訳ございません」
綺麗な礼を見せるとボニファーツィオのいた辺りでどさりと音がした。
「?」
顔をあげようとした瞬間、バルトレオとレオニーに手を引かれボニファーツィオのいる方とは逆に向かされた。
「リネは気にしないでいいよ。僕たちが守るから」
「でも、これは私の問題で」
リオネットの焦る様子にバルトレオは首を横に振った。
「違うよ。婚約が消えている状態で君の名を呼び続けるような男に『僕のリネ』を関わらせたくないんだ。僕の為にもお願いだよ?レオニー、リネを任せるよ」
仕方ないわね、リネちゃんの為にもなるから引き受けたわ。
そんな言葉と共にレオニーとリオネットは校舎に歩みを進めた。
小さく、あっ、と声がする。
手を伸ばしたボニファーツィオを見下ろしてバルトレオは底冷えしそうな声を出した。
「お前にリネを追いかける資格はない」
リオネットの言葉に膝から崩れ落ちた男に追い討ちをかける。
この男は傲慢すぎた。
リオネットだけを見ていながらリオネット以外を選ぶという愚かなことをしたのだから。
「リネの婚約者は僕だ。お前では無い。今はまだ伯爵令息だが学園を出れば貴族籍から抜けるのだろう?公爵夫人となるリネと平民となるお前では、もう会うこともなくなるだろう。だがそれはお前の選んだ道だ。リネに素直に愛を乞えば違っていただろうが、もう手遅れだよ、残念だったね」
絶望という表情を浮かべたボニファーツィオだったがバルトレオに同情心は芽生えなかった。
ボニファーツィオに関しては自業自得だ。
それよりもリオネットを傷つけてきた事が許せないのだ。
「俺は……ただ……」
小さく、本当に小さく呟いた。
「リオネットが俺だけを見てくれたら良かったんだ……」
そんな哀れな男の呟きなど留意してやる義理もない。
「僕はあの笑みを守るだけだ。一番近くでな」
お前とは違って。と言わなかったのは最後の情けだった。
よろよろと立ち上がったボニファーツィオは校舎に向かって歩き出した。
待てと言う間もなくその歩みは駆け足になった。
リオネットの姿を確認してボニファーツィオは歪んだ笑みを浮かべ手を差し伸べ……
「リオネット、婚約を解消なんてやめよう。もうおしゃれもしていい。リオネットが望むなら社交も許す。だから……」
その言葉は『遅すぎた』
リオネットの心に響くことはない。
表情をなくしたリオネットは静かに首を横に振った。
「お断り致しますわ。もう貴方との未来はみえませんので。それに貴方に許される必要はありませんの。『愛する人』が既に許してくださっているもの」
最後の一言で頬を染めたリオネットにボニファーツィオは衝撃を受けた。
よろっと一歩下がった。
それでも踏みとどまり、更に言葉を紡いだ。
「俺は、リオネットを愛していたんだ。だからこの手を選んでくれ。愛しているんだ」
リオネットの顔がこわばり、ボニファーツィオは幼い頃からの恋心が壊れた事を悟った
読んで下さりありがとうございました
本日2話更新しております
こちら短くてすみません……




