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オリジナルファンタジー・オンライン  作者: 灯油


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4.あのヒーローの真似


 「宿屋だ……本当にゲーム世界に居るみたい。いやまあ居るんだけど」

 

 僕が転送されたのは第四サーバーの宿屋のベットの上。

 VR空間内には学校の授業とかで入ったことがあるけど、ゲームとしては初めてだ。


「とりあえず宿屋から出るか……」


 僕は立ち上がりドアを開けた。すると向かいの部屋の人とほぼ同時に開けたみたいで―――


「うわっ!」

「あでっ!」


 頭がぶつかってしまった。


「ご、ごめんなさい……」

「いえ、私も悪いので……そうだ!仲直りのためにフレンド登録しませんか?部屋も近いですし!私すももっていいます!」

「僕はナギ。よろしくね」


『すもも とフレンドになりました』


「あれ?もうフレンドになった?」

「ああ、このゲームだとお互いに認識してフレンドになる意志があればすぐにフレンドになれますよ!」

「なるほどー。VRMMOが初めてなので助かります」

「じゃあ早速一緒にフィールドで狩りにいきますか?」

「いやー実は―――」


 再びレア職業について説明した。


「なるほどです。でもそういうの(レア職業)人に気安く教えちゃ駄目ですよ?」

「なぜです?」

「それを狙ったPKプレイヤーとかに狙われちゃいますよ!?」


 すももが焦ったように言う。


「そうだったんですか……わかりました。あんまり教えないようにします」

「あと!ため口で話して良いですよ!因みに私は元からこういう口調なので気にしないでください!」

「わかった。じゃあため口で話すよ」


「じゃあ私は狩りに行ってきますので!また!」

「はーい」


 元気な人だったな。姉さんと気が合いそう。


 自ら話してみて気づいたけど、別にフィールドに行っても何も出来ないんだよな。

 ということやっぱり僕は部屋に引きこもってひたすら〔糸術〕のレベル上げと練習をするかな。

 とりあえずの目標は〔糸術〕をある程度ものにすることだ!


「そうしないと敵が倒せないんだよな……」


 敵が倒せない→他のスキルが欲しい→SPスキルポイントが欲しい→敵が倒せないからSPどころか経験値も入手できない→やっぱり他のスキルが欲しい→…(以下無限に続く)


 ……負のスパイラルじゃん!


 というわけで今できることは〔糸術〕の強化しかない!

 因みにチュートリアルで兎を吹っ飛ばしたのはヘイトから外れただけだから何も入手できないという!



「〔糸術 【糸生成】!〕ぬぬぬぬぬぬ!……ふぅ」


 うーん、稼働前にも練習したけどやっぱり展開速度が遅すぎるしこれじゃあ敵を数体倒すだけで気力が尽きそう。

 でもきっと他に方法があるはず……


 二回目、力を抜いてやってみる。


 うーん、あんまり変わんない……そもそもこれじゃサッと出るイメージがあんまり無いな。

 

 あの後も結構やったが、あんまり上手くいかずに気力が切れてしまった。

 でも、〔糸術〕のレベルが上がって新しいアーツが取得できた。それは……

ーーーーーー

糸変化(いとへんげ)】消費MP 5

糸を想像することで変化させることが出来る。

扱うには相当の(イマジネーション)が必要だろう。

スキルレベルで消費MPが下がる。

ーーーーーー

 えーと、特性一つで消費MP5で倍増だから・・・って!特性二つだけでも25MP!三つも入れたら消費MP125!?

 でも、スキルレベルで消費MP下がるって書いてあるし、5が4に変わるだけで特性三つでも64だからこれが妥当なのかもしれない。

 それにしてもイマジネーション。想像力かー。


 そうだ!糸といえば・・・あ!あの蜘蛛のヒーローの真似をすればいいのでは!?





―――視聴中




 



 と、いうわけでちょっとログアウトして『スパイダーヒーロー~蜘蛛人間になったのでヒーローとして人々を助けます~』のDVD観てみた。

 父さんが持ってて良かったよ。


 そして見た結果、スパイダーヒーローは糸を出すときに腕を引いてから手を出して勢いよくやっている時があったから試してみる。


 三回目、スパイダーヒーローの真似。

 腕を思いっきり引いた状態でっ!


「〔糸術 【糸生成】〕!」


 腕を出すっ!


―――シュルルルル

「おおー!出来た!」



―――ピタッ!ギュルルルル!

「え?え?あー!うわーっ!と、止まっ―――ぐへっ!」


 勢いよく糸が前に出て壁までまっすぐ届いた。が、スパイダーヒーローのイメージをしていたからか前に引っ張られて転けてしまった。

 【糸変化】の影響かな・・・今のはいうなれば【粘着】【縮小】かな?本当にイメージ次第なんだなー。制御が大変だ。


 というかやっぱり既に前例があるとイメージしやすいのか?例えば手をまっすぐ突き出して野球ボールを打ち出すイメージをするより、実際に投げる時のポーズでイメージした方がしっくりくる、みたいな?

 

 一旦ログアウトして帰ってきた父さんと母さんと姉さんと夜ご飯を食べた。


 一回休憩してからまたログインして、またまた練習を繰り返した。




―――



 そして僕は気づいた。




 はっ!【糸変化(これ)】ならスパイダーヒーローの振り子運動も出来るのでは!?


 思い立ったら行動だー!フィールドに行くぞー!


 と、思った矢先・・・



―――ピピピ!ピピピ!


 ん?このアラームは・・・


『22:00』


―――あ。こっ、これは事前に僕がかけていたアラーム!?


 もう時間だ。夏休みとはいえ毎日長くやっていたら生活リズムが完全に崩れてしまう!


 くっ。明日にお預けかぁ。というかもうそんなに経ってたんだな。



―――ログアウト



◆世界観設定

『スパイダーヒーロー~蜘蛛人間になったのでヒーローとして人々を助けます~』

みんなお馴染みのなろう作品から書籍化、コミカライズ。アニメや映画とドンドンと有名になった。

原作完結から5年。その勢いは現在も衰えておらず、『ゆるゆるスパイダーヒーローちび人形』(税込550円)現在絶賛販売中。

ーーーーーー

【あとがき】

 矛盾や誤字脱字があったら是非ご報告を!コメントや☆も押してくれたら嬉しいです。リアクションも勿論嬉しいです。


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