嬢ちゃんは相変わらずなんだぜ
「ゲビ〜ック!!」
なんかまた...嬢ちゃんが遠くで呼んでやがる。
毎回思うんだが近くで突然話しかけられるより、今みたいに遠くから俺の名を呼びながら近づいて来る時の方が
「居た!今日はコレを見てもらいたいのよ!」
「ヤッパリですかい」「何がヤッパリよ?」
無理難題を言ってくる事が多いんだぜ。現に今も俺を見つけるなり、作業台に設計図らしきモノを拡げやがった。
「んで、コレは何なんですかい?」
「うふふ...コレはねぇ」
仕方なく嬢ちゃんに、この図面が何なのか聞いてみると
「前回作ったアレを投影するモノよ!」
「前回って...アレですかい?!」「そうよ!」
嬢ちゃんは相互風景投影板と名付けた水晶板を指差した。
「おい嬢ちゃん、アレはまだ完成してねぇぞ?」
「分かってるわよ。実際に投影するのはソッチじゃなくてコッチ」
そう言って嬢ちゃんは水晶板の所まで歩いていき、その後ろにある球体状の水晶の方を指差した。
そしてその球体状の水晶に光を当てながら、影を壁に伸ばしていく。
「見てよ」「あ〜逆さまになってんな」「そうじゃなくて、注目して欲しいのは大きさよ!」
そう言って壁に映し出されたモノと、水晶の手前に置いた物体の大きさの違いに言及する。
「コレは画像投影機って言うのよ!」
「投影機か...まぁ改善は必要だな」
屈折率の問題だろう。大きく映し出されるのは良いが、如何せん映像が逆転してるのが頂けねぇ。
そんな事を考えていると
「コレで大丈夫よ!」「ん?おぉ!?」
イキナリ逆さまだった映像の天地が逆転した。その投影元を見てみると
「黒い筒?」「コッチから見ると分かるわ、ゲビック」
嬢ちゃんに言われて黒い筒の先を覗いてみると
「なる程な!そういう事かい」
ソコにはもう一つの水晶球があり
「反転した映像をコイツでもう一度反転させてんのか」
「そうよ」「でもボヤケちまってんな」「それなら...こうよ!」
映像を元に戻してるんだが、どうにも見辛くて仕方ねぇ。だがソレも、嬢ちゃんがちょっと黒い筒の位置を変えてやるだけでアッサリ解決する。
「マジか!?映像がハッキリ見えやがった!」
「コレと拡声魔法を組み合わせれば、状況の説明とかカナリ分かりやすくなるわよ」
使い方の発想が相変わらずきな臭ぇが、それが嬢ちゃんだから仕方ねぇんだぜ。
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