とうとうこの時が来たんだぜ
「そういえば...ゲビックって冒険者登録してないの?」
藪から棒に、嬢ちゃんが変な事を聞いてきた。ただその表情は至って普通なんで、俺もなるべく自然に答える。
「そんなモンいらねぇだろ?」「ヤッパリ!」「何でぇ?!」
だが俺の答えを聞いた瞬間、嬢ちゃんは勢い良く立ち上がり
「マルヴェラがそろそろ更新に行きたいって言ってきたのよ。でもゲビックが更新に行ってるとこ見た事無いから、可怪しいと思ったのよね」
「別に可怪しかねぇだろ?」「はぁ?!それならアナタ、どうやってクランまで来たのよ?!」
声を荒げながら質問してきやがった。
「そりゃあ...(冒険者ギルドカード)で」「何!?」「ギルドカードだよ!」「...何処の?」「...冒険者ギルド」「...アナタまさか」「...(プイッ!)」「あ、阿呆かぁ〜!」「喧しいぞ!もう要らねぇだろ!?」
はぁ...はぁ...
お互い息を切らしながら数秒睨み合うと、嬢ちゃんは
「...行くわよ」「はぁ?!何処に?」「勿論冒険者ギルドよ!」「面倒クセェ...」「ゲビ〜ック?」
結局行く羽目になっちまったんだぜ。
「それにしても...ゲビックって、そんなにも不精者だったのね」
「違う違う!多分気付いた時には手遅れやっただけやで(笑)」「ウルセェ!」
嬢ちゃんが俺を不思議そうに見ながらボヤくと、マルヴェラが要らねぇ事を言い出しやがった。
その所為で嬢ちゃんの眼つきが呆れ顔に変わったじゃねぇか。
(はぁ...その顔されんのはまだ早ぇんだよ)
「何か言った?」「なんでもねぇよ」「(ジー…)何か隠してへん?」「...(プイッ!)」「...ハッ?!」
そんなやり取りをしながら冒険者ギルドの受付で待っていると
「お待たせしました」
そう言って出て来た職員が手にしたカードは二枚だが
「あれ?一枚は古いままじゃない?」「やろうなぁ」「...ん?」
分かってはいたが、俺のカードは前のままだった。
嬢ちゃんが疑問に思うも、相棒は俺の顔を睨みながら
「アンタ、初めてちゃうやろ?」「クッ...」「クッ、じゃないやん!」
ハッキリと言うも、嬢ちゃんはまだピンと来てねぇ...だが
「ゲビック様の登録は失効ではなく、既に抹消されています」
「えぇ〜!?」「やろね」「何してんのよ?ゲビックぅ〜!?」「う、苦し...」
ギルド職員の言葉で全てを理解した嬢ちゃんは、俺の襟首を掴んで離さなかったんだぜ。
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