覚悟って奴を...憶えさせられたんだぜ
「なぁ嬢ちゃんよ?」「何よゲビック?」「早速真似されてるんだが...」「そうね」
そうねって...蒸気馬車の時にも思ったが、何故わざと漏洩させるのか分からねぇ...
「何度も言ってるでしょ?似たものを作れたら、そこに資金や物資を突っ込むのよ。そして量産が始まれば、廉価製品が巷をかけるわ。その頃には、かなり資源が減っているはずよ?」
「だが似た威力のものを大量に持たれたら、多少性能で上回っても物量に押されちまわないか?」
嬢ちゃんが俺の顔色で判断したのか、俺の危惧した事に答えてくる。だがどうにも安心出来る内容じゃねぇと思うんだが...
「いいゲビック...帝国が持つ盗作品に、公国軍は物量で負けるわ。でも、小競り合いなら圧勝出来るくらいの性能差は出るわ。当たり前だけど、戦争はいきなり大軍同士の争いにはならない。当然最初は奇襲から始まるか、宣戦布告からよ。そして、帝国はあれだけの大所帯よ?必ず宣戦布告してくるわ。姑息な言いがかりをしてこない限り...ね」
「そ、そうかい?」「えぇ、そうよ」
俺は嬢ちゃんの物言いに気圧されながら、上っ面な返事をした。すると嬢ちゃんは知らず知らずなのか、小芝居めいた挙動を始める。いつもの踏み台に乗り、窓の外を見ながら
「どちらにしろ、最初は小競り合いよ。そして公国軍が圧勝するわ。それを見て帝国は物量戦をすれば勝てるが、損耗が激しくなる事に気付くわ。そうしたら、今度は鹵獲作戦を実行する筈よ。そして公国軍と同程度の兵器を用意するのに、今度は採算の取れない拡充をしてくるわ。そこでコチラは次の兵器を投入するのよ」
この辺りまでくると俺にはもう何が何だか分からねぇ...分からねぇが、帝国の資源及び資金が大量に消費されるくらいは分かる。
「いいゲビック?そこまで行けば最後に切り札を投入する事で、形勢は一気に公国軍に傾くわ。勿論自力が違うし勝っても帝国を打ち倒す程の国力が、そもそも統治出来るだけの人材すら足りてないもの。一部領土の割譲と賠償請求で、更なる国力減退を促して終戦...が最良よ」
そこまで言ってドヤ顔をする...と、思ったら...嬢ちゃんは
微笑んでいた。そして
「先は長いわよ?ゲビック。でも、ノンビリもしてられないのよ?計画的にいかないと...ね♪」
続く言葉を口にした後、更に笑顔になる。年齢からは想像出来ない程の深謀と、その想いの先にあるものに...
俺は、応えていかなきゃならねぇんだ。
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