第58話 購買の案
「このアンケート結果を見て1番気になるのはこれだよな。新しい商品はほしいですか?ほしい77%に対して新しい商品が出たら買いますか?買う40%。どういうことだ?」
「やっぱりそこだよね。それは僕が考えた結果、新しいのを買ってはずしたくないってことだと思う」
「どういうことだ?」
「例えば、ブルーベリーパンを出したとする。それが自分の好みじゃなかったら損した気分になるでしょ」
「でも、それは仕方ないだろう。食べないことには味がわからないんだから」
「だから僕は3つの案を出す。1.一口サイズで無料で配り、味をみてもらう。2.新商品は3日間100円で売る。3.新商品は3日間、ハーフサイズで安く売る」
「店側にその3つから選んでもらうってことだな」
「そうだね。ぼくたちがこれでっていうのもあれだし」
「値段にまとまりを持たせるのは良い意見だろ」
「そうだね。売ってる人も「私たちが値段を覚えられない」と言っている。だから値段のシールを貼る。または、赤200円、青150円、黄100円のシールを貼る。これなら売る側もわかるでしょ」
「セットと安くしてってのは?」
「それは店側に判断してもらう」
「では次は新しい商品の話だな。生クリーム系とチーズパンがないって意見はもっともだと思う。さっきの友久のシール案と新商品お試し案で、新しいのをじゃんじゃん出せるな」
「もう新商品の案はあるの?」
「俺も昨日、スーパーとコンビニに見に行ってきた。こういうのがいいんだろうってのがわかったよ」
「さすが豊心君」
「フレンチトースト、ホイップクリームドーナツ、チョコクロワッサン、アップルデニッシュ、チーズクロワッサン、カレーパン、コロッケバーガー、ビッグパン(大食い用に)、プッラ(フィンランド)、スコーレブロー(ノルウェー)、ソンホ(ブラジル)」
「後半僕も知らない」
「かなり妥協したぞ。まあ他にもたくさん候補はあるわけだが、とりあえずこれらでどうだ?」
「いいんじゃない。これで店側に提出だね」
後日購買のパン屋は一変した。
店側は新商品は3日間100円を採用した。
その後、豊心君が提案したパンは、どれも人気商品になった。
店側からは新しいパンの要望が届いた。
「豊心君さすがだね」
「どうだ友久。プッラや、スコーレブロー、ソンホが人気だぞ。クラスでも名前だしている人が何人もいるぞ」
「じゃあ第二段も考えないとね」
僕は豊心君のすごさを改めて知った。
パンに関しては、完全に豊心君を信用していいんだと。
そんなことを思っていると、豊心君が言う。
「今回の功労者は友久だな。アンケートをしたことと、その解釈。俺では無理だったよ」
豊心君に言われて思わず照れた。
ちょっとこそばゆいといった感じだ。
「この勢いでパン教徒を増やす計画を……」
「それは無理」
だってパン教徒が増えたら、僕に作ってくれる機会が減るでしょ。
遠くから僕を見てニヤニヤしている真奈美さんの視線を感じた。




