第55話 本選開始
豊心君が「そうだ。俺が東京代表だ」と言う。
北海道以外の代表の人たちも豊心君に注目している。
豊心君が奥へと向かった。
受付にでもいくのだろうか。
僕は真奈美さんのところに行った。
豊心君のサポートをしろと言われるものだと思っていたら、雑用を押し付けられた。
ひどい。
会場が盛り上がってきた。
客席は満席だった。
この人たちはどこから聞きつけたんだろうという疑問が湧いた。
だってこんなマイナーな大会だよ?
僕はこの大会の存在なんて知らなかった。
審査員を見ると、高校生パン全国発表会の会長と、有名店のオーナーシェフと、真奈美さんだった。
もうつっこまないぞ。
厳正なる抽選で発表順が決まった。
ねじ込んだ時点で厳正ではないけどね。
まずは富山代表からのようだ。
「私の作ったパンはこの2種類です」
白エビのドッグパンと、パン生地で包まれているものが出てきた。
「こちらの包んである方は、中がホタルイカです」
会場が湧く。
審査員が食べてメモをしていく。
次は広島代表だ。
「私が作ったのはこれだ」
牡蠣のカナッペみたいなものともみじ饅頭をサンドしたものだ。
てかもみじ饅頭をサンドするなよ、と僕は思った。
次は長野代表だ。
「私の2品はこれです」
野沢菜をピタパンみたいなもので挟んだものと、やわらかそうなパンで包んであるものが出てきた。
「隠れている方は中は蕎麦がきだ」
蕎麦がきとはそば粉をこねて作った餅のようなものだ。
次は香川代表だ。
「わたしのはこれだ」
ドッグパンにうどんが挟んであるのと、フォカッチャみたいのにオリーブがのっているパンだ。
焼きそばパンのうどんバージョンかと思った。
オリーブって小豆島だよな。
あそこも香川県なのかと思った。
次は北海道代表。
いわば食材が豊富な所。
今回の本命だろう。
「2品はこれだ。よく見ておけ」
出てきたのは、ちゃんちゃん焼きのロールパンといかめしのサンドだった。
他にたくさんあっただろう。
チーズとかじゃがいもとかさあ、と僕は思った。
5人出たところで一旦休憩になった。
残るは茨城、静岡、愛知、長崎、東京だ。
静岡と愛知はやばそうだと思った。
お茶パンとか美味しそうだし。
そして豊心君は何の食材を選んだのか。




