第50話 大根パン
「豊心君、パンフェスティバルに出すパンどうするの?」
「あそこで出す仮店舗は小さいからな。5種類に大根パンを加えればいいだろう」
「5種類の方は決まっているの?」
「3つはね。加奈子としょうゆ・寿司対決の時に出した、クロックムッシュ+ラクレットチーズと、その勝負のうちあげで出した、ハルーミチーズのピタパン。あとは文化祭で出したポンテゲージョだな」
「それらの理由は?」
「速く出来て美味しい」
「速さ?」
「そりゃ1人で6種類作るんだからな。時間がかかるものは無理だ」
「残りの2種類も考えないとね」
「まあすでに候補は決まってるんだがな。一応試しに作ってみてからだ」
1つ目は小麦粉じゃないもので作っている。
聞くとコーンミールというものだそうだ。
出来上がったものを見ると、パンケーキである。
「4つ目はパンケーキか」と僕が言うと、
「違う。これはジョニーケーキというアメリカのものだ」と豊心君。
「どう違うの?」
「コーンミールを使ってるだろ」
「そういうものか」
甘いものだと思ったら、ハムとチーズを乗せてくれた。
食事パンだったのか。
美味しい。
ハムとチーズがとても合う。
ちょっと感動。
次はなんとたこ焼き器を出してきた。
「まさかたこ焼きを作るの?」
「いやオランダのポッフェルチェというものだ。オランダでは専用の器具があるんだが、たこ焼き器にそっくりなんだ。まあ正確には底の深さが違うけどね」
そういうと生地をたこ焼き器に入れて焼いていく。
するとやはりたこ焼きみたいなものが出来上がった。
「チョコレートクリームでもいいんだけど、粉砂糖とバターが定番だね」
外側はかりかりで、中は軽くふんわりしている。
噛み締めるとバターと粉砂糖のソースがジュワッと染み出す感じは、どちらかというとフレンチトーストっぽくて美味しい。
「これで5つは決まったな。あとは大根だな」と豊心君。
「僕はまだ、大根とパンって想像がつかないや」
「う~んう~ん。大根といったら……」
「ブリ大根?」
「悪くはないがちょっとイメージが湧かないな」
「じゃあ味噌とかは?」
「味噌いいねえ。味噌で煮込んでみるか」
まだ大蔵大根はないので、スーパーで買った大根で試す。
煮込んでやわらかくなった大根を2人で食べて、「これをどんなパンに合わせるかだ」と豊心君。
「フランスパンなんてどう?」
「そうだなカンパーニュだな」
カンパーニュと味噌煮込み大根を食べてみる。
「なにか足りない」と豊心君。
「チーズは?」
「それナイス」
チーズと合わせるとかなり合う組み合わせだ。
「さっきから友久すごいな」
僕はちょっと照れた。
ではこれでいこう。
「名付けて大根と味噌のパン・ド・カンパーニュだ!」
「そのまんまや」




