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第42話 フィンランドのその後

その夜ホテルに行ったあと、夕食を食べることになった。


フィンランドの有名料理を食べられると思ったが、向かったのはパン屋であった。


まあ知ってましたけどね。


ちなみにパン屋と言っても外観は普通の家である。


道路のところに看板がないとわからない。


入ってみるとパン屋なのにパンが無い。


真奈美さんが言うには、ここは注文を受けてパンを渡すスタイルで、カウンターで注文しなければいけない。


てっきりショーケースなどにパンが並んでいて頼むものだとばかり思っていたのでどうしようと思った。


すると豊心君が真奈美さんと話している。


そして「夕食だからカラクッコでも食べようか?」と言ってくる。


「カラクッコ?」


「小魚と豚の脂肪がたっぷり包まれているパンだな。保存食でパイに近いかな。でも食べ応えがあるよ」


「じゃあそれでいいよ」と僕が言う。


「量は?」と聞くので、「そんなに大きすぎないの」と答えた。


真奈美さんが注文してくれた。


僕はもらった時に大きいと思ったが、300gのミニサイズとのこと。


豊心君は1kgのサイズで巨大な物体だった。


大きさで言えば、スイカといったところか。


真奈美さんはルイスレイパというライ麦パンを買っていた。


豊心君によるとフィンランドの国民食とのことだった。


裏切者!


ホテルに戻り食事を。


丸いカラクッコの上を切り抜き、ぎっしりと詰まった小魚などをスプーンですくって食べる。


これパンなんですかね。


まあパンで覆(おお)ってるからパンなんだけど。


300gでもお腹が一杯になった。


思ったよりしつこくなくて魚をよく食べる日本人には合っていたのだろう。


しかし1kgを食べた豊心君はすごい。


ちなみにカラクッコと一緒にバターミルクも飲んだけど、美味しかった。


豊心君がカラクッコにはバターミルクが合うと聞いたことがあるというのでスーパーで買ったのだ。


バターミルクというと日本では濃厚な料理に使うのを想像するが、フィンランドでは日本と違い、飲むヨーグルトに非常に近いのである。


カラクッコとの相性はよく、満足した食事だった。



朝、みんなで集まると、テーブルの上に大きな石が3つ置いてあった。


なにこれ?と思うと、パンだという。


いや、石だろ。


豊心君が「ヤルキウーニレイパというパンだ」と言う。


オーブンの後のパンという意味の名前とのこと。


通常の焼成で残った余熱を利用して、非常に長時間かけて乾燥・焼成したのでこんな見た目になったのだと。


食べてみると「硬い!」と思わず言ってしまう。


しかし、硬い → 密度が高い → 噛むほどライ麦の味が出る。


あれ?結構美味しいな。


食後に真奈美さんが飴をくれた。


舐めると「まずい!」と思わず言ってしまった。


「これがサルミアッキか。初めて食べたなあ」と豊心君。


サルミアッキ。


聞いたことがある。


世界一まずいと言われるお菓子というか、飴だとか。


真奈美さんはしれっとなんてものをくれたんだと思った。


舐めれば舐めるほどまずいを更新してくる恐ろしい飴であった。


一方、豊心君はフィンランドで人気があることを知っているので、かなり味わって舐めていた。


その後は観光かな。


どこへ行くんだろう。


サンタクロースの村に行って、サンタクロースに会いに行くとかと思っていたら、向かったのは空港だった。


そしてそのまま帰国。


帰りに真奈美さんが言った。


「次も地元か別の海外のイベントに参加するから」


地元や別の国に何があるのか。


何をさせられるのか。


不安しか思い浮かばなかった。

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