↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
38/66

第38話 キプロス島のハルーミチーズのパン

翌日、パン・チーズ連合の祝勝会が行われた。


変わったチーズのパンが食べたいという加奈子さんの要望により、豊心君がハルーミチーズのパンを作ることになった。


ハルーミチーズって何って僕が聞くと加奈子さんが答える。


「焼いても溶けにくいチーズなのよ。塩がかなり強めで、噛むと「キュッキュッ」と音がするぐらいの歯ごたえがあるの。水に浸して塩抜きしてから、フライパンとかでバターで焼いて食べたりするとめちゃうまだよ」


「そんなチーズがあるんだ」


「ハルーミチーズのステーキはねえ、そりゃ美味しくて」


「あっ長くなりそうなのでもういいです。十分わかりました」


加奈子さんが不満顔になった。


豊心君はキプロスで最も一般的な食べ方の、ピタパンの中に焼いたハルーミチーズとルンザ(豚肉の生ハムのようなもの)とトマトを挟んだものを作ってくれた。


そしてフラウナという復活祭で食べるハルーミチーズ入りの伝統的なパンも一緒に。


フラウナは、ハルーミチーズをすりおろして入れたパンである。


どっちも美味しかったが、焼いたハルーミチーズがとても美味しかった。


「帰りに輸入雑貨屋でハルーミチーズ買って帰ろうかな」と僕が言うと


「あなたもチーズ教に入信ね」と加奈子さん。


「僕は無神論者です!」と強く言う。


そんな感じでみんなで食べていると、加奈子さんが言う。


「そろそろ私、帰らないとね」


「地元にですか?」と僕が聞く。


「そう。こっちに来るのは今月末までの話だったから」


僕はこれで、毎日チーズパンから解放されると喜ぶ一方で、少し寂しい気持ちもあった。


豊心君はとても残念そうに見える。


そして僕と豊心君にチーズ教のラペルピン(スーツの襟元に着けるもの)をくれた。


だからチーズ教に入った覚えはないんですが。


しかもいつ作ったのだろうか。


豊心君は「俺もラペルピン作ろうかな」と言っている。


僕は着けないからね。


そして祝勝会が終わると加奈子さんが帰って行く。


「今度はマヨラーを倒しましょう!」と言って。


まだ敵がいるんかい。


こうしてパン研究会に日常が戻って来た。


豊心君はパン生地を仕込み、真奈美さんは読書をしている。


僕もノートパソコンで色々調べようと思って立ち上げた。


するとデスクトップの背景が、一面チーズの画像だらけに。


そして右側に黄色い文字でチーズ教と書かれていた。


いつの間に背景を差し替えたんだ。


僕はデスクトップの背景をパンの画像に戻したのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。