第36話 加奈子の目的
そして加奈子さんは、学校がある日は毎日放課後に部室にきた。
そして豊心君にチーズパンを要求する。
今日はドイツのケーゼブレートヒェン。
翌日はイタリアのパーネ・アル・フォルマッジョ。
さらに次の日はデンマークのオステブッレ。
そしてドイツのケーゼシュタンゲ。
僕はチーズパンばかりなので、違うパンも食べたいと思った。
しかし加奈子さんが豊心君にパンの感想を言い、美味しそうに食べる。
豊心君もまんざらではなさそうだ。
やはりパンとチーズは合うからだろうか。
そして最近、僕の存在意義を考えるようになってしまった。
豊心君には僕でなく加奈子さんの方がいいのではと思った。
そんな時に僕に真奈美さんが話しかける。
「加奈子がいるのは今月一杯。そもそもうちの学校の生徒じゃないし」
今月一杯なのか。
なら我慢しようと思った。
ところで真奈美さんはどうして僕の心中を知ったのだろうか。
そんなある日、ノルウェーのフォルムブロートというチーズパンを食べている時に、例のチーズの神様が完成したとの報告が入った。
加奈子さんは喜び、実物を見ては拝み始める。
豊心君も拝み始めた。
そして加奈子さんが次は女神像を作ると言い出した。
丸いチーズを両手で掲げる女神像が良いと言い出し、廊下にいるお供の人を困らせていた。
そして加奈子さんが来て10日ほど経った頃に豊心君に言う。
「あなたの力を貸してほしいの」
豊心君は何事かと思ったようだ。
加奈子さんが話し始める。
「私の幼馴染に北斗っていう男の人がいるんだけど、その人、なんにでもしょうゆをかけるの。だから私困っているの。あなたの力で北斗を黙らせて欲しい」
僕は加奈子さんも十分周りを困らせてるけどと思ったが、さすがに言えない。
豊心君が「チーズパンのすごさを教えてあげよう」と言う。
こうしてここに、パン・チーズ連合が誕生したのである。
なんなんですかね?これ。
◆◆◆
その頃しょうゆ派の北斗はある人物と接触していた。
様々な魚を従え、最近では肉類や野菜類まで勢力に加えている、寿司派の大輔だ。
「しょうゆと寿司が組めば天下を取ったも同然だな」と大輔。
「加奈子よみていろ。しょうゆこそが最高だということをわからせてやる」と北斗が大きな独り言を言った。




