第28話 友久の案
コンビニエンスストアの人たちとの会議が終わると、僕はすぐに家に向かった。
ノートに案を書いては消しての繰り返し。
豊心君みたいに既存のパンのアレンジも考えた。
今まで食べたパンを思い出すが、そういえば食事パンばかりだった。
甘いパンはほとんど食べていない。
やはり自分で考えないといけない。
3日目までは、授業を疎かにするぐらい考えた。
しかし案が浮かばない。
そして、別に僕は菓子パンではなく、総菜パンでもいいんだと気づいた。
だったら、ハチャプリアジャリアにしようかなと。
あの見た目。
軽井沢や文化祭でハチャプリアジャリアの人気はすごかった。
しかも日本で知られていない。
これなら豊心君に対抗できる。
対抗?これは豊心君が教えてくれたパンじゃないか。
僕が使うのはどうかと思った。
だからもう1度最初から考える。
脳が疲れてきた。
甘いものが欲しい。
そういえば前に団子を作ったな。
団子粉で簡単にできる。
それをパンの中に入れようか。
団子パンってあるのかな?
調べると一応あるらしいことがわかった。
これではダメだ。
甘いものと言えばケーキだな。
モンブランパンなんてあるのだろうか?
調べたらモンブランパンはあった。
有名なのはダメだ。
サイトを見ては検索。
少しでも気になったケーキや言葉が出てきたら検索。
そして1つのケーキにたどりついた。
クヴァフョルドケーキ。
ノルウェーのケーキである。
そしてノルウェーの世界一のケーキという紹介文。
世界一だと!
しかし読んでいくと、ノルウェーのラジオ番組のリスナー投票で世界一に選ばれたと。
自国民が自国のケーキを勝手に世界一って言っただけかい。
でも話題にはなるかもなと思った。
見た目も悪くない。
生クリームとカスタードを混ぜたフィリングが塗られている。
さらにスライスしたアーモンドのトッピングだ。
これでいこう。
問題は予算かなと思った。
生クリームはホイップクリームに変える。
トッピングのアーモンドは数枚だけ。
あとは何を削ればいいかわからない。
でもこれで挑もうと思った。
そしてあの日から一週間が経ち、再びコンビニエンスストアの人たちがやってきた。
「僕が提案するのはクヴァフョルドケーキ風パンです」




