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第24話 運命の審判

翌日は買い出しと、メインディッシュを作ってみることになった。


元の料理はビーフ・ウェリントンという牛肉を包むパイ料理。


パイ部分をフランスパンにして、ついでに牛肉も和牛のフィレにしようというわけだ。


ソースも作らなくてはいけない。


なにせビーフ・ウェリントン自体、豊心君も作ったことがないので、慎重に進める。


僕もスープやサラダ、そしてメインの肉を焼く作業を担当することになった。


ただし和牛のフィレは高いので練習用は輸入牛肉で試してみることに。


本来は牛肉をパイで包んでオーブンで焼くのだろうが、練習なのでそんな贅沢なことはできない。


牛肉の切り身をレアで焼き、パイ部分をフランスパンのブールで代用する。


一緒に焼くのではない。


牛肉をフランスパンに嵌(は)める感じだ。


ソースは赤ワインとデミグラスソースとバターで作った。


見た目はやはり本物に落ちるが仕方がない。


味はかなり良い。


和牛のフィレなら、これより5割くらい美味しくなるだろう。


これで安心と思ったが、僕はビーフウェリントンもどき半分で満足しているので、真奈美さんがコースの6個のパンを食べれるとは思えないのに気づいた。


なにせ男の僕が食べ放題でパンを5個しか食べられなかったからだ。


そこで豊心君にサイズの変更を要請。


それぞれ半分くらいの大きさに変更した。



そして当日の放課後がきた。


まずは「「ハッピーバースデー、真奈美さん」」と2人で言う。


「あら、ありがとう」


「ではこれからパンのコース料理を提供します」と豊心君が言い、僕がオードブルのカナッペを出した。


次はスープでサンフランシスコ風クラムチャウダー。


真奈美さんは何も言わずに食べていく。


いよいよ次がメインディッシュだ。


ビーフ・ウェリントン風のパン包みを出す。


真奈美さんがジッと見てから食べ出す。


なにか言ってくれよと僕は思った。


次はサラダ。


ピタパンに生野菜を入れて、特製ドレッシングをかけている。


次はチーズ。


ハチャプリのまだ出していないメグルリ(メグリア)地方版だ。


最後はデザート。


ブレッドプディングと紅茶を出して、コース料理を出し終えた。


しばらくしてから、ようやく真奈美さんが口を開く。


「ありがとう。美味しかったわ。パンのコース料理なんて初めて」


そして僕らを見て、「どちらのアイデア?」と聞く。


「僕です」と言うと、ちょっと驚いたようだ。


「私はただ、誕生日って言っただけなのに、こんなにしてくれて嬉しいわ」と真顔で言う。


「メインディッシュのアイデアはどちら?」


「僕です」と言うと真奈美さんはまたしても驚く。


「チーズのこのパンは?」


「ハチャプリメグルリ(メグリア)です」と豊心君。


「ハチャプリって何種類あるの?」


「知っているだけで9種類」


「ふうん。では今度お礼でご褒美を考えておかないとね」


どうやら合格したみたいだ。


豊心君は祭壇のパニス・クアドラトゥスにお礼を言っている。


とりあえずホッとした。


この開放感。


この後パン屋で豊心君と打ち上げをしよう。

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