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第2話 丸パンと通販

翌日の昼休み、豊心君はフランスパンのバゲットを食べていた。


僕は「すごいね」としか言えなかった。


バゲットを丸々一本持ってきて食べているのがすごいと思った。


みんなも注目している。


そもそも、学校に来るときにバッグから何かがはみ出しているのは知っていた。


でも、まさかバゲットだとは思わなかった。


「今日はバタールと迷ったんだがな」と豊心君が言う。


せめて切って持って来てくれと僕は思った。


そして「今日の部活は友久にパンを作ってもらう」


「いきなりは無理だよ」


「大丈夫。簡単なのだから」


「でも初心者だよ?」


「だけど。パンの入門としては良いものだから」


放課後、スーパーで必要なものを買ったのだが。


「今日は世界のパン?」


「今日はシンプルな丸パンだよ」と豊心君が言うと、「次回は世界のパンね」と真奈美さん。


「日本以外ならいいんだよね?」と豊心君。


「そう。まあ2回に1回は日本以外のパンにして欲しいんだけど」


「わかった」


さすがの豊心君もスポンサー様の意見には従わざるを得ないみたいだ。


部室に荷物を置いたあと、調理実習室に行き、早速調理開始。


強力粉、砂糖、ドライイースト、無塩バター、塩。


あとはぬるま湯を混ぜてから捏ねる。


そして丸めて発酵させ、8等分くらいに分けて、それぞれ丸めて再び休ませる。


そしてオーブンで焼いて完成なのだが。


「う~ん遅いし丸みがいまいち」と豊心君。


「初心者には無理だよ」


「せめて半分ぐらいの時間で作れるようになって欲しいな」


その後、3人で食べた後に、片付けをするように言われた。


僕が洗い物をしていると、豊心君がスマホを真奈美さんに見せてなにかを力説している。


最初は渋っていた真奈美さんが笑顔になり、豊心君と握手をしている。


一体この2人はなんの話をしたのだろう。


豊心君はスマホを操作しまくっているが、ずっと不気味な笑顔を浮かべている。


あれは悪いこと考えてる顔ではと僕は思った。



翌日、学校に荷物が届いた。


豊心君が先生からは自分の家に届けろと文句を言われていた。


荷物は2つ。


大きい箱と小さい箱。


「友久、部室に運ぶぞ」そういうと豊心君は小さい箱を持つ。


「ちょっと僕が1人で大きいの持つの?」


「何か?」


「僕が頼んだんじゃないし不公平だ」


「君は初心者だし、俺が部長だ。つまりそういうことだ」


僕は納得がいかないまま大きな荷物を持って行く。


部室の家庭科室に着くと、真奈美さんがいた。


「例の届いたみたいね」


「ありがとうございます」と豊心君。


さっそく小さい箱を開ける。


中には粉が入っていた。


「スペルト小麦?」と僕はその粉を見て聞く。


「数千年以上前から栽培されてきた小麦で、古代小麦ってやつだ」と豊心君。


さっそく開封し計ってから粉に水を加えている。


さっそくラップに包んで放置する。


大きな荷物は端に寄せている。


「こっちは開けないの?」


「2日後に開けるよ」


なんで2日後なんだろうと思った。


さて今日は結局パンを作らなかった。


2日後の月曜になにかをするらしい。


僕は、大きな荷物と、少し酸っぱい匂いのする混ぜ物を見て、ものすごく不安になった。

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