第17話 パン屋からの依頼
3人がパン屋に向かう。
店の名前はLe Havre。フランス語で「港」を意味する。
青をベースにしたお店構えがおしゃれだ。
真奈美さんが先頭で店に入る。
「いらっしゃいませ」と声をかけられる。
真奈美さんは店主を見つけ、挨拶をする。
店主が3人を歓迎し奥の部屋に一緒に向かった。
「やあ、よく来てくれた。文化祭で君たちのパンを見たよ。是非一緒にパンを作らないか?」と店主が言う。
「もちろんです。それで、既存のパンですか? それともオリジナルですか?」と豊心君。
「オリジナルだ」
「ではどのようなパンを」
「案はいくつかあるけどね。まだ決まっていない。一緒に考えていけたらね」
「オリジナルでまだコンセプトが決まっていないか……」
豊心君が考え込んだので僕が聞いてみることにした。
「まずお店の客層はどんな感じですか?」
「主婦が多いね。ランチに食べたり夕方あたりに食べるという感じだね」
「売れ筋の商品は?」
「満遍なく。甘いものも食事系も。逆に言うと、飛びぬけたものはない」
「パンの大きさとかはどうですか?大きいのが売れるとか小さいのが売れるとか」
「そこも満遍なくだね」
僕は豊心君を見る。
豊心君が続けてくれと合図を送って来た。
「先ほど案はいくつかあるとおっしゃいましたが」
「そうだね。例えば家形のパン。家族をテーマに。「あとは、この辺りは緑が多いので、緑色がベースのパン。あとは主婦が多いので、主婦の人が好みそうなパン」
「なるほど。3案あるんですね」
「家というと、いわゆるキャラクターパンのようなものかな。緑色は野菜やハーブで色を付けるのが一般的だ。最後は抽象的でまだ決まらないな」と豊心君。
店主と豊心君が考え込む。
「あの、素人意見でもいいでしょうか?」と僕が聞く。
「もちろん」
「家は分かりませんが、緑色というのは、例えばフォカッチャのような生地を土に見立てて、その上に野菜やハーブを乗せる。畑をそのままパンにするような感じです」
店主と豊心君が反応する。
「最後の主婦向けのは大きめの穴の開いたリングパンにチーズまたはクリームを上に乗せる。題して天使の輪」
店主と豊心君が考え込む。
やっぱり素人意見だと厳しいのかな。
予算とか、何も考えずに言っちゃったけど。
「ちょっと作ってみようか」と店主。
豊心君は考え込んだままだ。
こうして僕の意見で試作を作ってみることになったのだ。




