11 強弱
また、来週
そして、ユニスが運命の日を迎えてからはや一ヶ月が経過。
世間では7大貴族の一角であったフォウンタイン家がおとり潰しになった件で持ち切りであった。
当主が隠れ、実の娘に対して、人体実験を行い、魔力枯渇症へとなった。
王家への反逆のため各水道に細工を仕掛け、王都壊滅計画を練っていた。
他国の反乱分子と密に連絡を取り合っていた。
等々と様々な話が貴族、平民を問わず、流行していた。
そして、今一番ホットな話題は、、
「ユニス~イダテルは魔力ゼロで一体どうやって試験を突破するかだね」
「、、、、、、、、、、、、、、、」
「何か反応してくれよ、おじさん寂しいじゃないか」
「、、、、、、」
そんな騎士団長からの問いかけにもエザトリーは心ここに非ずという感じで王立学校実地試験会場の見学者席に座っていた。エザトリーと騎士団長は午前中の筆記試験が終了し、午後からの実地試験が始まるのを待っていた。
(本当は最初からユニスと一緒に来たかったが、試験会場の警護等色々と業務が重なり、ここまで時間かかかってしまった。)
「まったく、後でみんなには謝りたまえよ、仕事を押し付けて、ここに来たんだから、まあ、心配なるのも分かるかね」
エザトリーがこんな様子なのは何もシスコンが嵩じただけではない。ここまでの一ヶ月の間デランドは修行編だと言って騎士団地下訓練場の一室を貸し切り、ドアにでかでかと面会謝絶と貼り付け、最低限の物資の行き交いのみでユニスがどんな様子か確認できなかったのである。
それは、心配にもなる。
「よっこらせと」
そんなエザトリーの横へデランドはドシッと座った。
瞬間、デランドの胸倉を掴むエザトリー、
「いきなりの挨拶だな、発情期かてめぇは」
「ユニスはどうした」
「ちゃんと、一緒に来たぜ、あんたらから身分証明の紋章をもらっていたし、俺も楽々入れたよ」
エザトリーさらに胸倉の手に力を込める。
「安心しろよ、もうすぐほら」
デランドは試験会場を指刺した。
そこにはユニスがいた。上下ともに学校の運動着へと着替えている、、、、、、、
がしかし、
体はボロボロであった。
体の所々に痣で紫になっており、足にも問題が来ているのか弱々しく倒れそうになりながら、小鹿のように歩いていた。
ましてや、顔も殴られたように腫れ目が片方閉じられ、眼光鋭く前を見ているため周囲はそこだけバリアでもあるように空間があいている始末である。
エザトリーはその様子を見て、冷気が這い上がり、体全体をパチパチと音を鳴らせていった。
「エザトリー君ここで暴れたら、ユニス君の合格は完璧になくなるね、落ち着け」
そうすると、具現化しかけていた氷が自然現象により空気へ溶けていった。そして、空気を換えるように騎士団長はデランドへと話しかけた。
「そして、ユニス君は成長したかね」
「この一ヶ月指導したが、精一杯やったあとはご主人様次第だ」
再び、周囲に霜が降りる前に、
「だが、安心しろよ、あいつは強くなった」
とデランドは自信満々に言い放った。




