異世界でイモ掘り…?
~第4話~
セルマに促されてステータスを開くと初心者パックが光っていた…しかもnew!のアイコンまで…
ますますスマホやタブレットだ…
俺のステータスボードを覗き込むセルマが口を開く。
『ねぇ、初心者パックって何?』
『異世界初心者に創造神って名乗る爺が付けてくれたんだ。』
俺は何も考えず異世界、創造神のワードを言った後で…言ったらマズかったかなぁと後悔する。
『えっ!雅樹は転移者?なんでこんな森の中にいるの?転移者は普通、王都に現れるんじゃないの?』
『知らない…何それ?特別扱い?俺は何で街まで数日歩く距離の森の中に…?あの爺街まですぐって…』
『雅樹、アンタ、要らない子だったの?』
セルマは何やら深く考え込む…
『あのさぁ、私も…要らない子なんだよ。』
力なくセルマは寂しそうに語る。
『要らない子って何?オヤジさんいるんだろ?』
『そうなんだけどさ…ウチは狩人やってるんだけど、兄も弟も弓のスキル発現して…私だけスキル無いんだよね…無駄飯喰らいってヤツ…』
『なら、無理に狩人やらなくてもいいんじゃない?セルマに合った仕事だって必ずあるんじゃないかな?』
『他の仕事?スキルも無いのに?雅樹は転移者だからスキルも沢山あるんでしょ?適当な慰めしないでよ…』
『先ずは俺のステータス見てみ?スキルなんてセルマと同じ、な~んにも無い!』
先程とは違うステータスボードをセルマは穴があくほど調べる…
『えっ?ホントだ…雅樹は転移者なのに無能…?だからこんな森の中に送られた…?』
『さっきから言ってる事、悪意に満ちてない?まぁ、とりあえず初心者パック見てみるから。』
気を取り直した俺はステータスボードの初心者パックを開く。
《情報が更新されました。》
スキルは努力の結果、何かしらの要因があって初めて発現します。
『だってさ。セルマもきっと何かしらスキルが発現するよ!きっと…いつか…なんとか…』
『何で最後の方は弱気なのよ!』
『おっ?やっと元気が出た?』
『もういい!お腹減ったからご飯作ろう!』
『そうだな、でも、何を食べるんだ?角ウサギは逃げたぞ?』
『任せなさい!肉は無いけど食べられる野草は沢山あるでしょ?』
『毒とか大丈夫…?俺はコッチの野菜や山菜、キノコは全く分からないぞ?』
セルマはニコッと笑い手招きをして俺を呼んだ。
『ほら、これ食べられる!前に転移者がスキル持ちで教えてもらったんだ~
確か自然薯?だっけ?』
『転移者!自然薯!確かにこの蔓と葉の形自然薯そっくりだ!品質は…これ三年以上の大物だぞ!』
『雅樹も知ってたんだね~さすが転移者!じゃあ、早速掘ろう!雅樹よろしく!』
そう言ってセルマは俺に園芸用のスコップを手渡した…
『確かに自然薯はめちゃくちゃ旨いけどこれは2メートルはあるぞ?これを俺一人で掘れと?』
『私、狩人だもん。スキルないし』
『俺だってそんなスキルないよ!』
『でも掘らないとご飯無いよ?』
キョトンとした顔でセルマは小首を傾げて俺を見た。
『ああもう!分かったよ!掘ればいいんだろ!掘りますよ!』
森の中の土は適度に水を含み柔らかい…が、地面を何メートルも園芸用のスコップで掘るのは至難の業…自然薯が折れるのが先か俺の心が折れるのが先か…
少しづつ自然薯が姿を現す。既に日は落ちかけ夕日が差し込む。
『雅樹、他にも食べられる物を見つけたよ~』
俺が大地と自然薯と死闘を繰り広げる頃、セルマは呑気な声で収穫した野草を見せつけた。
『あれ?これって…見覚えのあるイガイガの殻、割れてそこから顔を覗かせる物…栗だっ!』
『雅樹よく知ってるね。これも食べられるんだよね。イガイガを外して、この茶色の所を剝いて…』
『小粒だけどしっかり重い!これは旨いぞ!』
『やった~!雅樹色々詳しいね。さすが転移者。』
少しだけやる気の戻った俺は一気に自然薯を掘り進める。
既に日は暮れて夜の空気が辺りを包む。
『掘れた!やっと掘れた!この自然薯やっぱり三年以上土の中で育ったヤツだ!』
俺は日本の記憶、経験を思い出しながら自然薯を眺める。
するといきなり、ピコン!とステータスボードが鳴る。
セルマも気が付き、二人で俺のステータスを確認すると…
スキルが光り、そこにはnew!更に初心者パックが光りそこにもnew!の文字が…




