雅樹、異世界でセルマと出会う!
ようやく異世界れ転移した雅樹…そこは森の中だった。
~異世界に送り込まれたアラフィフスーパーの店員
まったりと生きる~
~第3話~
創造神は雅樹を若干若返らせる。雅樹の中年としての大きな悩み、四十肩と目の衰え…これを間違いで召喚してしまった手打ちの品として…
『それではそろそろいいかのぅ?』
『ちょっと待って!身体の不調を取り除いてくれたのは感謝するが、俺は向こうの事何も分からないんだぞ?』
『むぅ…面倒くさいのぅ。向こうに行ったら、ステータスオープンと唱えよ!するとスマホの様にステータスが出るから初心者パックを開けばえぇ。』
『なんだその適当な…』
『まぁ、見れば分かる、チュートリアルじゃな。』
『待て!俺は全てのキャラに話しかけて話しを進める派だ!』
『兎に角、後は楽しんできなさい。またいつか会える日も来るじゃろうて。』
創造神はそう言って俺を異世界に送り込んだ…
目の前が眩しい。濃い緑の香、土の匂い。懐かしい匂いがした。
目が慣れてくるとそこは森の中だった…
『おい、あの神様やってくれたなぁ…いきなりどこか分からない森か…』
最後に創造神が面倒くさそうにチュートリアルと言っていたのを思い出す。
『ステータスオープン!…言葉にすると恥ずかしいな。異世界物好きで読み漁ってたけど実際に来るとは…』
目の前に半透明のステータスボードが表示される。
『名前は…俺の名前だな…スキルは…無し。ジョブは…無職?無職になったのは誰のせいだと思ってる!』
ひとしきりステータスボードを眺めてツッコミを入れる。
『これか?初心者パックって。』
開くとこの世界の名前がサーライト、この森がガウの森と表示される。
《英雅樹よ!この世界に招かれし物よ!この世界は、お主の世界と同じスキルは目に見えない。ただ、努力次第で何にも、そして誰にもなれない者にもなれる。全てはお主次第じゃ。通貨は日本と同じ円。餞別として150万円程プレゼントじゃ。少し歩けば近くに街がある。そこでまなぶのじゃぞ。》
150万…まあ退職金として有難く頂戴するとしよう。
しかしどっちに行けば街があるんだ…しかも少しって距離にしてどれ位なんだよ!
『金だけ有っても生きていける気がしない…何がチュートリアルだ!多分この文章、テンプレートで名前だけ入れ替えだろ…俺、招かれてないぞ…』
誰も人がいない森の中…聞こえるのは鳥のさえずり、風が抜け、草木が揺れる音だけ…
『ああ、香奈は、由香、瞬は無事なんだろうか?』
落ち着いた途端に心が喪失感で押しつぶされる。
放心していると茂みからガサガサとウサギが跳びだしてきた。
『おっ?異世界のウサ…ギ?』
俺の知っているウサギではない!なんだよあの凶暴な顔付き、角と牙、断じてウサギと認定してたまるか!
まさか神様が《兎に角って》これの事じゃないだろうな…
角の生えたウサギと俺は目が合ってしまう…
どうやら獲物として認定されたようだ…
『動かないで!』
女の声がする。
ヒュッ…ドッ、矢が角ウサギの手前の地面に突き刺さる。
更に弓を引く、ギリッ…ヒュッ…ドッ…また矢が角ウサギの真横の地面に突き刺さる。
『ああ!もうなんで動くの?』
いやいや、俺も角ウサギも全く動いてない…
ギリッ…ヒュッ…ドッ…角ウサギに当たる気配は感じられない…
角ウサギは向きを変え、茂みに帰って行く…
『ああもう!逃げられたじゃない!なんで動くの?』
女が姿を現した。年は娘の由香と変わらないかんじの短めのショートカットの活発そうな女性だ。
『俺は全く動いてないぞ。ついでにあの角の生えたウサギも。それから、スマン助かったよ。』
『やっと獲物が…って思ったのに…』
俺の小さなツッコミと礼も聞こえてないようだ。
『俺は英雅樹。君は?』
『私?私はセルマ…狩人』
セルマと名乗った女性は少し拗ねた様に自己紹介をした。
『セルマ、この近くに街が有るって聞いたけど、どこか分かるかな?実は迷っちゃってさ…』
そう、人生にも物理的にも…
『街?有るけどここから3日位歩くよ?』
『マジで?』
『マジ。』
あの爺、何がちょっとだ!あの爺が迷子じゃないか!
『はぁ、アンタのせいで獲物が逃げちゃったじゃない…どうしてくれるのよ…』
だから俺も角ウサギも全く身動き一つしてないんだが…
『雅樹って言ったっけ?ゴメン、アンタのせいじゃないよね?アンタもウサギも動いてなかった…』
『アレは角ウサギを追い払う威嚇じゃなかったのか?』
『本気も本気。狩る気満々だったもん…』
セルマはそっぽを向き悲しそうに呟く…
狩りの素人が口を出せる事ではないだろうが、狙いを絞ってない様な…
『なぁ、角ウサギを狙ってたのは分かるが角ウサギに向かって弓を撃っただけに見えたんだが照準は何処で合わせてるんだ?』
『??…獲物に向けて撃つと当たるって、お父さんは言ってたから…』
『いやいや、セルマのオヤジさん説明がザックリし過ぎだろ…』
『仕方ないでしょ!お父さんは弓のスキル持ってるんだもん!私はスキルないし…』
『スキル?スキルは無いって聞いたけど…』
『雅樹、アンタどんだけ田舎から出てきたの?スキルはあるわよ!でも、持ってる人が少ないだけ。』
あの爺…言ってる事がちがうじゃないか!全てが適当過ぎだろ…
さすがに頭が痛くなってくる…
ピコン!
『雅樹、アンタのステータスボードが鳴ってる!
何かお知らせ?もしかして…スキル?』
『??…ステータスボードが鳴る?』
『ああもう!ステータス開きなさい!』
『ああ、ステータスオープン!』
開いたステータスボードには初心者パックが点滅し、new!とアイコンが…
ステータスボード、最後に謎の仕事をしました(笑)




