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雅樹神との遭遇

日本のスーパーで働く雅樹、何故異世界に?

~異世界に送り込まれたアラフィフスーパーの店員

まったりと生きる~


~第2話~


スーパー英の開店を無事に見届けた俺は、コレまでを振り返る…


あれは日本での出来事だった…


俺と瞬は仕事を終え、妻の香奈(かな)と娘の由香(ゆか)と合流して馴染みの定食屋に向かう所だった。


『やっと大将と女将さんとの約束を果たせるよ。』


『あら?どんな約束をしたんです?』


おっとりとした柔らかな声で香奈が俺の独り言を聞き返す。


『ああ、今度は《家族》で来いって。』


『それなら今日は約束を守れますね~』


『長かった様な、あっという間だった様な…』


幹線道路で信号待ちをしている娘達。


『パパ、ママ、まだ~?信号が青になるよー!』


『雅樹さん、香奈さん、早く行きましょう!腹ぺこですよ~』


『わかった、わかった。すぐに行くよ!』


道路に背を向けこちらを振り返る二人に俺は手を軽く上げて答える。


『…なんだ?あのトラック、二人に向かって猛スピードで…』


俺は咄嗟に駆けだした。アラフィフの身体が悲鳴を上げるのを無視して全力以上の力を出し切り走った。


『二人とも危ない!』


俺は二人を体当たりで安全な場所に押し出す。


『なん…だ?トラック…無人…?』


コレが俺の日本での最後の記憶だった。




どれだけ眠っていたか…時間の感覚がない…


目が覚めると辺りは一面真っ白な霧に包まれた世界だった…


『ココは何処だ?由香は?瞬は無事だったのか?香奈ー!由香ー!瞬ー!いるのか?返事をしてくれー!』


俺は愛する家族の名前を叫ぶが静寂が辺りに誰もいない事を知らせる…


『おお!ココにおったか!』


どこからともなく、威厳のある老人の声が聞こえる。声が近づくに連れて霧が晴れていく。


『待っておったぞ!橘瞬よ!お主にはコレから異世界に行ってもらう事となる!ん…?英由香は何処におる?』


老人は由香を探しているようだ。だが!その前に!


『俺は英雅樹!瞬じゃない!いきなり異世界にってなんなんだ!』


『何?お主は橘瞬ではない…?英由香は?』


『由香は俺の大切な娘だ!瞬も同じく大切な息子だ!お前は誰だ!偉そうに人の家族を呼びつけて異世界だぁ?』


俺は我が身に起こった不可解な出来事より、愛する家族に降りかかろうとする謎の事案に憤慨する。


『そうか…スマンがもう一度だけ確認させてくれんか…?本当に橘瞬ではないと…?』


『ああ、俺は英雅樹。二人の父親だ!立派なアラフィフだ!』


頭に血が上った俺は自身が50手前とまで語ってしまった…


『なんと!父親…しかも50手前…年齢制限が…』


『アラフィフで悪かったな!で?アンタは誰なんだ?』


『儂はこの世界の創造神じゃ…』


『創造神?それで俺の家族に何の用があったって言うんだ?』


『儂の世界を救ってもらうつもりじゃったんじゃ…』


『神様ってのは人に救いを求めるモンなのか?そんな神様なんて貧乏神か疫病神でしかないんじゃないのか?』


『お主、神相手に容赦ないのぉ…』


『伊達にクレーマー対応してないからな。引いたら一気に持ってかれるのは実証済だ。』


『むぅ…こうなっては致し方がない!』


創造神は勢いよく両手を掲げた。


あっ、しくじった?コレ本当にヤバいヤツ…

流石に神を怒らせてしまった…マズいぞ!コレが噂の神罰ってヤツ…?


『英雅樹…』


威厳のある声で俺の名を呼ぶ。

ああ、最後に香奈に会いたかった…


『この度は誠に申し訳ございませんでした~!』


ガバッと地面に平伏す創造神…見事な五体投地だ…

いやいや、神の五体投地って…


『いや、神様がそんなに簡単に五体投地なんて…』


そう言い創造神を助け起こす。


『本当にすまんかった…実を言うと儂の世界の人間が異世界人を召喚しまくっておってな…お主等の前に現れたトラック…アレの運転手が呼ばれてのぅ…』


『もともと瞬達は関係なかった?』


『まぁ、そう言う事なんじゃが、あのままなら二人とも死んでおったからのぅ…儂の世界を救ってもらう代わりに保護をしようと…』


『そうか…じゃあ神様は助けるつもりだったんだな?そしたら俺はどうなる?』


『本来なら儂の世界に行ってもらうんじゃが…年齢制限が…』


『それなら仕方ない、元の世界に返してくれればそれでイイから。』


『出来るのじゃが、そうするとお主はトラックに轢かれる寸前に戻ってしまうぞ?そうなると御臨終じゃ…』


『八方塞がりじゃないか!』


『どうしたモンかのぅ…』


『この際、生きていられるなら異世界に行くよ!年齢制限は神様の力でどうにかしてくれ!』


『この際仕方ないのぅ…それじゃ、異世界に行ってもらうとするか!』


『あっ、そうだ、異世界の知識や言語は?』


『任せろ!便利な初心者パックがある!』


『おお!ではお約束のチートは?』


『無い!』


『特殊なスキルは?』


『無い!もとよりあの世界にはスキルが存在していない!』


『ちょっと待て!なんの旨みもないじゃないか!そんな世界で独りで生きろと?』


『怒らんでくれ…そうじゃ!お主、悩みは?』


『まぁ、四十肩が辛いかなぁ、それと目が悪くなってきて…近視と老眼…』


『うむ!加齢による症状のようじゃな。』


『そんな事は言われんでも分かってる!』


『じゃあそれを治す事で手打ちと…』


創造神は再び両手を高く掲げる…


暖かな光が俺を包む…


『これでどうじゃ?』


『おおっ!肩が動く!振り回しても痛くない!眼鏡なしでもよく見える!』


『お主の身体が悪くなる前に戻したぞ。スマンが30歳位じゃがのぅ。』


いやいや、あまりにも若返ると日本に帰った時に香奈が怖い…これでもギリギリのラインだ…


『では、英雅樹よ!儂の世界に旅立つが良い!』



こうして俺は異世界に旅立つ事となった…







今回は異世界の創造神に呼び出された雅樹と創造神のやり取りをお楽しみください。

相手が神でも通常運転の雅樹…

この後はどうなるのか?

おたのしみに!

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