異世界スーパー英 本日開店です!
まだ異世界には《まだ》行きません!の後日譚。
ようやく異世界に送り込まれた雅樹。
これから異世界生活開始!
~異世界に送り込まれたアラフィフスーパーの店員
まったりと生きる~
~第1話~
ここは異世界のスーパー英
間もなくグランドオープンを迎える
『店長~、この魚値段は?』
『コッチの野菜、鮮度はいいんですが、形が不揃いで…』
『新商品の記念ビール、何処に置きます~?』
ただいまスーパーの開店前。一日に何回も訪れる戦争の時間だ。
『了解!順番に見るから!魚は丸のままなら原価に30%乗せて!形が特に悪い野菜はデリカに!そうでない野菜は本日のお買い得に!あっ、ビールはソコに置いたら客動線塞ぐから、惣菜コーナーの横に突きだして!』
目まぐるしく俺は指示を出す。
俺は英 雅樹異世界のスーパー英の店長だ。
俺は日本からこの世界、異世界のサーライトに無理矢理連れてこられた、いわゆる転移者だ。
『雅樹さ~ん!オープンおめでとうございます!僕も何か手伝いますよ!何でも言って下さい!』
そう声を掛けてきた青年は俺と同じ転移者、橘瞬確か22歳になるかな?日本で再会した時はまだあどけなさの残る高校生だったのが、今では強者の風格漂う英雄だ。
まぁ、俺の息子の様な存在でもある。
『瞬!久しぶりだなぁ!じゃあ昔みたいに遠慮無く仕事を振るよ!しかし瞬が英雄様かぁ。時の流れは早いもんだなぁ。』
『スーパーのバイトがいつの間にか英雄になってました。それから、さっき榊さんに会いましたよ。もうすぐ来るんじゃないですかね?』
瞬が旧知の仲の榊の事を伝える。
『英さん、コッチでもスーパーの店員なんですね。オープンおめでとうございます。』
『ああ、榊さんもお久しぶりです。』
彼は榊。俺達と同じく日本からの転移者だ。
元々瞬も榊も俺が働いていた日本のスーパーからの付き合いだ。榊は当時、知りたい事があると、店員を捕まえて納得が出来るまで質問を投げかける店員側からすると大変迷惑な客であった。
それが今では魔族国の王、魔王サマときたもんだ。
相変わらず読めない人だ。
『瞬、悪いが肉屋を見てくれないか?豚ロースのとんかつ用を切ってくれ。俺は魚屋で刺身を切る!』
この世界は中世ヨーロッパに近い。だが、文化的にはごちゃ混ぜだ。
理由は後ほど語るが転移者が珍しい存在ではなく、この世界でエネルギー源として見られているため転移者だらけだ。その為に現代の文化が色濃く浸食し元々の文化と融合する。
『英さん、コッチのスーパーでも何でも屋ですねぇ~、相変わらず仕事の幅が広い。』
『いやいや、榊さん俺は今も昔も普通に出来ることをやってるだけですから。』
『そうですか?英さんが普通なら一般の人は無能になってしまいますよ?』
その会話を聞いていた八百屋担当の女性チーフのセルマが勢いよく俺にツッコむ
『アンタが普通のワケあるかい!』
『おいおい、人を異常者扱いしないでくれよ…』
『英さんが非凡ということです。』
『榊さんこそ、魔王になんかなって…人の事言えないんじゃないですか?』
『私は英さんみたいに望んで店長、役職者になったんじゃないですから。必要だから魔王に就任しただけですからねぇ。』
『それを言ったら瞬もいつの間にか英雄でしたからね。』
『人生はわからないモノですねぇ。そう言えば英さん、今日のオススメの魚はなんですか?』
『今日はサンマの刺身がオススメです!スキルで安全も確保してますので!』
『サンマの刺身、いいですね。それでは開店を待ってますね。』
『それじゃあ、また後で!』
こうして俺は魚屋の厨房に立つ。
この世界の食材も地球とほぼ同じ。調理法や注意点も同じだ。
俺はサンマを鑑定スキルで確認する。
『よし!寄生虫がいないことが確認できた!次はスキル調理(刺身)!』
あっという間にサンマの刺身が店に並ぶ。
お?そろそろ開店の時間だ!
『スーパー英!本日開店です!』
本来ならこちらが本編だったのですが、異世界に送り込まれる前の日常で雅樹が、香奈が、そして由香が、勝手気ままに暴走した結果本編がスピンオフ扱いに…




