第二十一話 盗賊娘、報酬を疑う
菫色の瞳の少女が王都へ来るらしい。
その噂を聞いてから、三日が経った。噂は消えなかった。むしろ、東門の宿場、白花施療院の寄付品業者、香料組合の裏口、古物市へ向かう荷車の列へ、細い糸のように絡みついていった。誰もはっきりとは知らない。けれど、誰もが少しずつ知っている。白い旅装の少女。菫色に見える瞳。教会の者が迎えに動いたらしい。王城にも話が上がるらしい。
旧訓練棟の作業台には、その三日で盗賊団が拾ってきたものが増えていた。荷札、封蝋の写し、倉番名簿の端、古い祭具市へ流れる印。細かな名前は違っても、示している先はほとんど同じだった。三番蔵。そして、その先にある古物市。
ディアナは机の端に座っていた。左手中指の指輪は白金色に戻っている。三日前、菫色の紙片に触れた時の淡い色はもうない。けれど、噂が増えるたび、指輪の重さだけは思い出したように戻ってくる。名前を知っている。でも、言えない。どんな顔で、どんな声で、誰の前に現れるはずだったのかも知っている。ここで口にすれば、隠していたものが一気にほどける。ほどけた先にあるのは、まだ誰にも渡していない痛みだ。
「顔」
「出てる?」
「出てる」
「しまう」
「しまえてない」
「判定が早い」
隣でカイルが軽く肩をすくめた。優しいというより、見張りの声だった。ありがたい。ありがたいが、今は少し困る。
リュクスは作業台の向こうで腕を組んでいる。ミロは荷札の束を指で弾き、ガロは古い地図に顔を寄せていた。ダンテは壁際で魔銃の革帯を直し、バルドは薬箱を開きかけたまま、机の上の紙片を面倒くさそうに見ている。
みんな、いつも通りに見える。
だが、いつも通りではない。
ジークムントが扉から入ってきたからだ。サディアスが一歩後ろに控え、薄い木箱を三つ抱えている。朝の光が高い窓から差し込み、ジークムントの銀白色の髪を淡く縁取った。整った顔。穏やかな目。性格の悪さを隠すのがうまい笑み。その視線が、机の上の盗品を一つずつ拾い、最後にディアナの左手で止まった。
見た。絶対に見た。
「三日で、ずいぶん増えたね」
ジークムントは作業台の前で足を止めた。
「増やしたのはお前だろうが」
「私は頼んだだけだよ」
「頼んだだけで、人の寝床まで荷札まみれにするな」
「使える仕事場になっただろう?」
「檻を仕事場と言い換えるな」
リュクスの声は不機嫌だったが、真正面から拒む声ではなかった。盗賊団の頭として、机の上の成果を見ている顔だ。捕まった時とは違う。ジークムントに使われるだけの顔ではない。
ジークムントは荷札の一枚を指先で押さえた。
「三番蔵は中継点だった。甘い香も、寄付品も、古い祭具も、そこで名前を変えている」
「……ずいぶん、きれいな言い方ですね」
「汚い言い方が好み?」
「隠す場所、ですか」
「正解」
褒められても嬉しくない。少しだけ嬉しいのが、もっと嬉しくない。ミロが荷札の束をひらひらと揺らした。
「三番蔵の方は拾っといた」
「軽い」
「重く言えばありがたみ出る?」
「いらない」
「だろ? 荷札、帳簿、印、倉番。可愛げゼロ」
「仕事に可愛げはいらないでしょ」
「お嬢の拾うもんは、だいたい変な値がつくけどな」
「言い方」
気のせいではない。けれど、ミロの軽口で少し息が戻った。噂は胸に刺さったままだが、机の上には盗れるものがある。盗れるものがあるなら、手は動かせる。
リュクスが荷の経路を書いた紙を指で弾いた。
「三番蔵から古物市へ流れてる。表向きは古紙、礼拝具、傷んだ聖画の修復用。だが、混ざってる印が妙だ」
「妙?」
「王城の古い祭礼倉庫の印に似せてある。似せてはいるが、本物じゃねえ」
「雑な偽物ではないんだ」
「そうだ。雑なら捨てる。妙に丁寧だから残した」
丁寧な偽物。ディアナは思わず自分の左手を見た。香りはない。本物ではない。それでも王国の象徴を揺らすには十分な、ジークムントの作った偽物。その偽物が、今は知らない色を見せている。
非常に面倒くさい。
「三番蔵そのものを潰すのは、今ではない」
ジークムントが言った。
「潰せば、そこで道が切れる。こちらが見たいのは、そこから先だ」
「古物市」
「そう。古紙商、祭具屋、礼拝具の修復屋。古物市には、女神に近いものを紛れ込ませる場所が多い」
「つまり」
ディアナは机の上の荷札を見た。
「三番蔵は、もう父さんたちが道を盗った」
「言い方は悪くねえな」
リュクスが薄く笑った。
「中継点に長居すると、相手にこっちの目を教えるだけになる。今は流れた先だ」
「だから、古物市」
「そういうことだ」
父に頷かれると、少しだけ足元が戻る。リュクスは、ディアナが全部を言えないことに気づいている。それでも今は問わない。問わない代わりに、盗れる道を示す。それが父で、盗賊団の頭だった。
「そこで、条件を変える」
ジークムントが言った。
サディアスが木箱の蓋を開ける。革紐、細い札、折りたたまれた地図、薬包、予備の手袋、針金、封蝋を写すための蝋板。どれも新品ではない。新品ではないが、手に馴染むよう選ばれている。見た瞬間に分かる。盗賊が使える道具だ。ディアナの目が勝手に動いた。針金の太さ、革紐の強さ、札の素材、蝋板の柔らかさ。見てはいけない。いや、見てもいい。仕事道具だ。たぶん。
「任務時の外出範囲を広げる。監視はつける。ただし、現場判断で一時的に散ることを認める。東市から荷捌き場、香料組合周辺、古物市まで。任務に必要な範囲だけだ」
「今さらだな、殿下」
「俺たちはもう働いた。使うなら、動けるだけの道具と道は寄越せ」
「だから渡している」
「やっと道具の使い方を覚えたか」
「君たちが道具で済むなら、もう少し楽だったんだけどね」
ジークムントは笑っている。声も穏やかだ。けれど、リュクスの目は少しも緩んでいない。会話の形だけ見ると穏やかだが、空気は刃物に近い。喧嘩ではない。交渉だ。リュクスは盗賊団の頭として、当然の対価を受け取ろうとしている。ジークムントは成果を見て、条件を上げている。
善意ではない。だから、信用できる部分がある。そこが腹立たしい。
「報告義務は残す。逃亡、裏切り、王城区への無断接近があれば条件は戻す」
「戻される前提で話すな」
「逃げない前提で話してほしい?」
「娘を置いて逃げると思ってるなら、最初からお前は俺らの使い方を間違えてる」
「そこは、もう間違えていないつもりだよ」
ジークムントの視線が一瞬、ディアナへ向いた。やめて。今の流れで見るな。ディアナは顔をしまおうとした。たぶん、しまえていない。カイルが横で小さく息を吐いた。判定しなくていい。しないでほしい。
薬と魔銃弾は任務ごとに必要量だけ。バルドとダンテはそれぞれ不満そうな顔をしたが、受け取る手は早かった。ガロは地図を手に取り、古物市周辺の屋根線を指でなぞる。カイルが横から覗いた。
「この屋根道、今は増築されてる」
「分かるのか」
「古い地図だ。ここはたぶん塞がってる。でも、古紙商の裏なら抜け道が残ってる」
「拾えるか」
「拾う」
会話が早い。盗賊団が、少しずつ動き出す。閉じ込められた獣ではなく、仕事前の盗賊団の顔になる。
ディアナはそれを見て、胸の奥が少しだけ緩んだ。よかった、と思ってしまった。悔しい。父たちが動けることが嬉しい。薬や道具が増えることがありがたい。旧訓練棟がただの檻ではなく、仕事場になっていくことにほっとする。でも、それはジークムントの手の中で広げられた自由だ。檻の柵が消えたのではない。柵の幅が広くなっただけ。
それでも、広くなった場所で走れるなら、盗賊は走る。
「ディアナ」
ジークムントに呼ばれ、ディアナは顔を上げた。
「君にも渡すものがある」
「私にも?」
「うん」
サディアスが小さな革袋を差し出した。中には薄い革手袋が一組だけ入っていた。左手中指の部分だけ、指輪の輪郭を曖昧にするよう重ね革がしてある。
「また細かい」
「君の指輪は、隠しすぎても見せすぎても目立つ」
「私の指輪では」
「今は君が一番反応を拾っている」
「便利ですね」
「便利だろう?」
「腹立つ」
ジークムントは笑った。その笑顔を見て、さっき飲み込んだ名前が胸の奥でまた動いた。菫色の瞳の少女。ジークムントの前に、いつか現れるはずだった人。今はまだ会っていない。ジークムントはまだ、彼女を知らない。
でも、色は近づいている。
それが怖い。
「君は、何かを知っている顔をしている」
「顔に出ない修行中です」
「まだ足りないね」
「ロザリア先生に報告しないでください」
「内容による」
やめて。先生に「顔に出ています」と言われるのはまだ耐えられる。ジークムントに「知っている顔だね」と言われるのは、心臓に悪い。しかもこの人は、見た断片と表情だけで勝手に道を作る。だから、ディアナは先に道を変えた。
「知っていることより、次の獲物の話をしましょう」
「逃げたね」
「職業病です」
「なら、許そう」
許される筋合いはない。だが、逃げ道としては通った。ディアナは古物市周辺の地図へ視線を落とす。古紙商、祭具屋、礼拝具の修復屋。そこを押さえれば、菫色の少女を迎えるために誰が何を動かしているのかも見えてくるかもしれない。
あの子を敵だと決めつけるためではない。
イレーネを守るため。
ジークムントが菫色の瞳の少女を見るところは、まだ想像したくない。いや、違う。想像する必要がない。今は仕事だ。仕事。獲物。古物市。よし。
作業台の端で、ノアが前足を伸ばした。黒猫の鼻先が、荷札の束へ近づく。古い祭具市へ流れる荷につけられていた紙だ。ノアはくん、と匂いを嗅ぎ、それから紙の端を前足で押さえた。
「ノア、噛まない」
「にゃ」
「返事が信用できない」
ノアは返事だけして、荷札の端をくわえた。
「噛んだ」
「にゃ」
「返事じゃなくて離して」
黒猫は離さなかった。むしろ、ひらりと作業台から飛び降りる。細い体が椅子の下を抜け、窓際へ走った。
「あ、ちょっと!」
ディアナは慌てて立ち上がった。ノアは窓枠へ乗り、こちらを一度振り返る。金色の目が、来ないのか、と言っているように見えた。腹が立つ。猫に挑発されている。
「ノア、戻って」
戻るわけがなかった。黒猫はするりと窓の外へ消えた。
「お嬢、猫に負けてる」
「負けてない」
「今のは負け」
「うるさい」
ミロの笑い声を背中に受けながら、ディアナは窓から訓練庭へ出た。旧訓練棟の外は、思ったより明るかった。昼近い日差しが石壁を白く照らし、風が干した布の匂いを運んでくる。ノアは黒い尾だけを見せて、外壁沿いの細い道へ入っていった。
そこは離宮区画の端だった。旧訓練棟の裏手から、使用人たちの洗濯場へ続いている。普段は監視の騎士が立つ場所から少し外れた、王城の生活の裏側。白いシーツや侍女服が紐にかけられ、桶の水が日差しを弾いている。大人の使用人たちは洗濯物を干しながら、子どもたちの遊びをにこにこと見ていた。白い布が風を受け、ぱたぱたと鳴る。石畳には水が光り、洗いたての布と石鹸草の匂いがした。笑い声があり、桶を置く音があり、日常のやわらかなざわめきがある。
明るい場所だった。
その足元で、子どもたちが紙の竜を叩いていた。
「悪い竜だ!」
「女神様を返せ!」
「旅人様がやっつけるんだぞ!」
ディアナは足を止めた。ノアは洗濯籠の陰に潜り込み、そこで荷札を落とした。落としたくせに、もう荷札には興味がないらしい。今度は洗濯籠の紐に前足を伸ばしている。自由すぎる。
子どもたちの手にあるのは、薄い紙で作った竜だった。黒い墨で角と翼を描き、棒の先に括りつけてある。風を受けるたび、翼がぺらぺらと震えた。一人が紙の竜を石畳に置き、もう一人が木の枝を掲げる。
「古代竜は、女神様を枯れた土地に閉じ込めました!」
「妖精たちは、旅人様にお願いしました!」
「旅人様は剣で竜をやっつけて、女神様を助けました!」
遊び歌のような調子だった。たぶん、祭礼で聞く語りを真似ているのだろう。意味を深く考えている声ではない。覚えた節を、覚えた通りに繰り返している。だからこそ、ぞっとした。この国の子どもなら、誰でも知っている話だ。古代竜が女神を縛り、妖精に導かれた旅人が竜を討つ。救われた女神の涙が、王国に実りをもたらす。
王国の子どもたちが、当たり前のように覚えている神話。
女神を救った旅人の話。王国に豊穣をもたらした祝福の話。
そして、古代竜を悪と決める話。
「悪い竜め!」
「女神様を返せ!」
子どもたちは笑いながら、紙の竜を叩いた。白い洗濯物の下で。お日様の下で。大人たちがにこにこ見守る中で。薄い紙はすぐに破れ、角が折れ、墨で描かれた目が靴の下で歪む。子どもたちに悪意はない。誰かを傷つけているつもりもない。ただ、覚えた通りに竜を悪者にして、覚えた通りに叩いている。
それが一番、胸に引っかかった。
「ディアナ」
背後から、ジークムントの声がした。
その瞬間、洗濯場の空気が変わった。洗濯物を干していた女たちの笑い声が、ふっと細くなる。桶の水音だけが一瞬大きく聞こえた。子どもたちのそばにいた使用人が、はっと顔を上げる。ジークムントを見たのではない。見てしまいそうになって、すぐに目を伏せた。
「ほら、もう戻りなさい」
「でも、まだ竜が」
「いいから。手を洗っておいで」
「ええー」
「早く」
子どもたちは理由も分からない顔で紙の棒を抱え、大人たちに背を押されていく。使用人たちはジークムントを見ない。見ないようにして、頭だけを下げ、白い布の向こうへ逃げるように消えた。さっきまで笑っていた大人たちが、竜を叩く子どもではなく、ジークムントを見て静かになる。
その方が、ずっと残酷だった。
ジークムントは怒らなかった。表情も変えなかった。社交場で聞き慣れた退屈な冗談を受け流す時のような、穏やかで整った顔だった。怒るほど珍しいものではない、という顔。ジークムント・ラ・パーソンには、その古代竜の血が流れていると囁かれている。王国が悪と決めた竜。その血を引く、災いの王子。そう呼ばれる男が、子どもたちの遊びの中で何度も叩かれる紙の竜を見ている。
この人は、可哀想な王子ではない。
叩かれた紙の竜を見ても、怒らない。怒らないまま、何かを見ている。
それが、怖い。
石畳の端に、破れた紙の竜が残っていた。子どもたちは急かされて行ってしまったので、誰も拾わない。踏まれた翼が水に濡れ、墨が少しだけ滲んでいる。気づいた時には、ディアナはしゃがんでいた。
「拾うんだね」
ジークムントが言った。
ディアナは紙についた砂を払った。角は折れ、翼は破れ、胴には子どもの靴跡がついている。紙だから軽い。軽いのに、妙に手に残る。
「竜って、踏まれているより飛んでいる方が似合うと思って」
言ってから、自分でも少し変なことを言った気がした。ジークムントは、すぐには何も返さなかった。深い青灰色の瞳が、破れた紙の翼と、ディアナの指先を見ている。
洗濯籠の陰から、ノアが「にゃ」と鳴いた。ディアナが片腕で抱き上げると、黒猫はすぐに紙の竜へ前足を伸ばす。
「こら、だめ。猫にやられる竜なんて変でしょ」
ジークムントが、短く笑った。いつもの笑みより、少しだけ音が軽かった。ディアナは顔を上げかけて、やめた。見たら負ける気がした。たぶん負ける。
ノアは不満そうに尾を揺らしている。紙の竜はディアナの指の間で、破れた翼を少しだけ風に揺らした。かわいそう、ではない。そういう言葉にすると、違う気がした。ただ、地面に貼りついているより、風を受けている方が似合う気がしただけだ。そういうことにしておく。
ディアナは紙についた水を払った。紙は思ったよりも薄く、繊維が荒い。祭礼用の上等な紙ではない。使い古した古紙を漉き直したものだろう。端にかすかな匂いが残っている。石鹸草ではない。糊と、古い紙と、どこかで嗅いだ倉庫の匂い。
「あ」
声が漏れた。
ノアは腕の中で、紙の竜ではなくディアナの袖口の紐を狙っている。さっきまでのことは、もうどうでもいいらしい。本当に自由だ。ディアナは破れた翼の端を指で押さえた。そこに、古紙商のものらしい小さな押し跡が残っている。印というより、束ねた時についた圧の痕だ。荷札ほどはっきりしていない。だから普通なら見落とす。
でも、盗賊は端を見る。
値札の裏、袋の縫い目、紙の折り癖、印の押し損じ。そういうところに、持ち主の油断が残る。
「この紙、三番蔵の荷札に似ています。紙質と、匂いが」
「古紙商を通った紙だろうね」
ジークムントは紙の端を覗き込み、目を細めた。
「三番蔵から古物市へ流れた紙だろうね」
「紙竜が?」
「紙竜も、祈りの写しも、同じ紙に紛れ込ませられる」
「隠しやすいですね」
「うん。薄く、軽く、どこへでも運べる」
「燃やせば消える」
「証拠にも向いていない」
嫌なものほど、よくできている。ディアナは破れた紙の竜を見た。机の上に並んでいた荷札を思い出す。それから、三日前に聞いた菫色の瞳の噂も。別々の場所にあるはずなのに、同じ匂いがした。
「次は古物市だね」
ジークムントが言った。
「古紙商、祭具屋、礼拝具の修復屋。紙の竜と同じ紙を扱うものを探す。そこで、女神に近いものがもう一つ見つかるかもしれない」
「盗るものは?」
「見つけてから決めよう」
「雑です」
「君なら、命じていないものも盗るだろう?」
「否定しづらい」
最悪だ。でも、少しだけ心臓が戻った。ディアナは紙の竜をそっと畳んだ。捨てる気にはなれなかった。荷物に挟んでおく。理由は、まだ分からない。分からないが、盗賊は分からないものを捨てない。後で値がつくかもしれないからだ。
たぶん、それだけだ。
白い布の向こうで、もう子どもたちの声はしない。それでも、菫色の噂は王都へ近づいている。
待っている理由はない。
次の獲物は、古物市だった。




